口頭指示下での膝屈伸運動と上肢運動の組み合わせ運動による酸素摂取量の比較検討
【目的】我々は第13回世界理学療法連盟学術集会において, 地域における健康体操の基礎研究として口頭指示下における下肢要素的運動の再現性と酸素消費量に関して報告した. 結果として口頭指示と下肢運動の再現性は高く, 膝屈伸運動では平均2.6Mets/kg/min, 49.9%MHR, RPE10に相当した. 今回我々は, 健康体操施行時はいくつかの上下肢, 体幹の組み合わせによる運動が行われる事に著目し, 口頭指示下での膝屈伸運動に二種類の肘の屈伸運動を組み合わせ, 主に酸素摂取量と血圧, 心拍数の変化を比較検討したので考察を加え報告する. 【方法】健康成人9名, 男性4名, 女性5名, 平均年齢...
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Published in | 理学療法学 Vol. 27; no. suppl-2; p. 396 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
2000
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Summary: | 【目的】我々は第13回世界理学療法連盟学術集会において, 地域における健康体操の基礎研究として口頭指示下における下肢要素的運動の再現性と酸素消費量に関して報告した. 結果として口頭指示と下肢運動の再現性は高く, 膝屈伸運動では平均2.6Mets/kg/min, 49.9%MHR, RPE10に相当した. 今回我々は, 健康体操施行時はいくつかの上下肢, 体幹の組み合わせによる運動が行われる事に著目し, 口頭指示下での膝屈伸運動に二種類の肘の屈伸運動を組み合わせ, 主に酸素摂取量と血圧, 心拍数の変化を比較検討したので考察を加え報告する. 【方法】健康成人9名, 男性4名, 女性5名, 平均年齢30.4才(21才~43才)平均体重61.3kg(46kg~78kg)に対して肩幅開脚立位をとらせ“両膝を足の親指が隠れる程度に軽く曲げて下さい”との口頭指示下に(1)“肘を体側に付け屈伸に合わせて曲げ伸ばししてください”(2)“肘を肩の高さに真横に挙げ屈伸に合わせて曲げ伸ばししてください”の二種類の上肢運動を組み合わせた運動課題に対して, 60beat/分で電子メトロノームにて運動ピッチをコントロールし, 120beat/分の軽快なBGMを流し運動を施行した. 酸素摂取量はアニマ社製携帯用酸素消費量測定装置AT-1000を用いて測定した. 心拍数(以下HR)はモニター心電計を用い, 安静時HR, 各課題終了直後に運動時HRおよび血圧(以下BP), 主観的疲労度(以下RPE)をBorg scaleを用い測定した, 呼気ガス測定は5分間施行し4分から5分の測定値を代表値とした. 各施行間に被検者は椅子座位にて安静時HRの5%以内に戻るまで安静をとらせた. 順序は被験者ごと順不同とした. 統計学的分析は課題(1), (2)群差を酸素摂取量(以下Vo2), RPE, 各増加率△HR, △SBP(収縮期血圧), △DBP(拡張期血圧)はWilcoxon testにて, 二重積(以下RPP)は安静時, 課題(1), (2)を要因とする一元配置分散分析にて検出した. 【結果】Vo2, RPE, △SBP, △HRは各課題間にp<0.01で有意差を認めた. △DBPはNSだった. RPPは各要因間ともp<0.01で有意差を認めた. 各課題別の平均値(RPEは中央値), Vo2(ml), △SBP, △DBP, RPE, 安静時RPP(×10^3 ), (1)RPP, (2)RPPはそれぞれ課題(1)700.89, 15.78, 2.22, 11, 課題(2)76267, 28.00, 5.78, 13, 安静RPP8.76, (1)RPP13.59(2)RPP17.18であった. 運動強度はそれぞれ(1)3.3Mets, (2)3.6Metsに相当した. 【考察】本研究は上肢課題の種別によって, 血行動態的差異, 酸素摂取量の差異が生じるかどうかの検討であった. 課題の特性として(1)は等張性収縮, (2)は固定筋の等尺性収縮を負荷したもであるが, 結果が示す如く運動強度には比較的差がないにもかかわらず, 諸家が報告している様に左室負荷が課題(2)で増加している事が予測される, 高齢者で何らかの心肺系の疾病を有する対象に使用する上肢運動要素としては運動時間, 組み合わせに十分配慮を要する必要性が本研究より示唆された. |
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ISSN: | 0289-3770 |