起立角度の違いによる脳内酸素飽和度と血流指標の変化
慢性期の脳血管障害の脳内血管のauto-regulation機能は機能的に戻ることがあるかを起立負荷を加えることで, 脳内酸素飽和度と血流量を無侵襲に計測が可能な近赤外分光法を用いて検討をしたので報告をする. 脳血管障害群(CVA群)男性8名内脳出血4名, 脳梗塞4名. 発症経過平均27.25月, 右麻痺が2名, 左麻痺が6名Brunnstorm stageは, III~IVでADLは自立. T字杖か独歩が可能な者を対象にした. また, Control群は健常な男子4名を対象とした. Somanetics社製INVOSシリーズ3100Aを用いて脳内酸素飽和度(CSO2)と血流指標(BVI)を測...
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Published in | 理学療法学 Vol. 27; no. suppl-2; p. 77 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
2000
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Summary: | 慢性期の脳血管障害の脳内血管のauto-regulation機能は機能的に戻ることがあるかを起立負荷を加えることで, 脳内酸素飽和度と血流量を無侵襲に計測が可能な近赤外分光法を用いて検討をしたので報告をする. 脳血管障害群(CVA群)男性8名内脳出血4名, 脳梗塞4名. 発症経過平均27.25月, 右麻痺が2名, 左麻痺が6名Brunnstorm stageは, III~IVでADLは自立. T字杖か独歩が可能な者を対象にした. また, Control群は健常な男子4名を対象とした. Somanetics社製INVOSシリーズ3100Aを用いて脳内酸素飽和度(CSO2)と血流指標(BVI)を測定した. sensorはCVA群では障害半球側の前額面上に貼付. control群ではrandomに前額面上に貼付した. 安静仰臥位にて2分間測定した後傾斜台にて受動的に30°60°80°と連続して角度を変化させ, 各5分間ずつCSO2とBVIを測定した. また, 80°終了した後受動的に仰臥位とし2分間測定をした. 測定値は絶対値ではないため安静仰臥位の平均値を基準値とし各角度の測定値から減算した値を変化量として比較した. CVA群のCSO2の各角度の変化量の平均値は30°で-1.36±1.45, 60°で2.84±1.27, 80°で-3.13±3.14, 終了後で-2.74±2.51であった. またBVIの平均値は30°で-2.28±5.17, 60°で-3.23±4.38, 80°で-2.99±4.39, 終了後で-4.27±7.88であった. control群ではCSO2の各角度の平均値は30°で-2.12±1.88, 60°で-4.25±2.74, 80°で-4.37±2.32, 終了後で-1.89±4.73であった. BVIの平均値は30°で1.00±4.08, 60°で-1.91±4.80, 80°で-4.37±2.32, 終了後で-6.95±15.26であった. CSO2についてはcontrol群は角度が上昇することで減少する. しかし, CVA群では角度間の変化量に差はあまり認められなかった. しかし, 両群とも130秒を越えると80°の変化量がわずかに60°を越える. また, BVIについてはcontrol群では角度が上昇することで変化量は減少する. CVA群では角度間の変化量はばらついてる. しかし, 130秒を越えるとCSO2と同様に80°の変化量が60°の変化量をわずかに越える. これらのことから, CVA群では頚動脈洞の圧受容器が働き血流量を増加させたと考える. また, 脳血管障害群のBVIのばらつきから脳血管のauto-regulation機能は戻ることはなく, 姿勢による血流量の変化は頚動脈洞の圧受容器に依存することが考えられる. |
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ISSN: | 0289-3770 |