脊髄損傷者の性機能に関する調査

脊髄損傷者(以下, 脊損者)の約7割は16歳から45歳までの年代であり, それに伴う性機能障害は, 性生活や子供を得るにあたって重大な問題となる. 男性脊損者の性機能障害には, 勃起障害, 射精障害があるが, 近年人工勃起法, 人工射精法, 人工受精法の発達により, 性交渉や挙児が可能となりつつある. この問題は脊損者のQOLに大きく影響すると思われるが, これらの知識がどの程度脊損者の間に普及しているかは疑問である. そこで当センターでは, 脊損者の性機能障害についての知識向上と情報提供を目的に, 医師, 看護婦, 保健婦, セラピストによる脊髄損傷者性機能研究会(以下, 研究会)を発足し,...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. suppl-2; p. 623
Main Authors 高瀬泉, 山下隆昭, 大庭潤平, 安岡真由美, 来田早苗
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1998
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ISSN0289-3770

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Summary:脊髄損傷者(以下, 脊損者)の約7割は16歳から45歳までの年代であり, それに伴う性機能障害は, 性生活や子供を得るにあたって重大な問題となる. 男性脊損者の性機能障害には, 勃起障害, 射精障害があるが, 近年人工勃起法, 人工射精法, 人工受精法の発達により, 性交渉や挙児が可能となりつつある. この問題は脊損者のQOLに大きく影響すると思われるが, これらの知識がどの程度脊損者の間に普及しているかは疑問である. そこで当センターでは, 脊損者の性機能障害についての知識向上と情報提供を目的に, 医師, 看護婦, 保健婦, セラピストによる脊髄損傷者性機能研究会(以下, 研究会)を発足し, 性に関する講習会や調査を行っている. 今回, 研究会で脊損者に対して性機能に関するアンケート調査を実施した. その結果より, 男性脊損者の性機能障害と, これに関する知識について検討し, チームアプローチのなかでの理学療法士の関わりと当研究会の今後の課題について, 考察を加えて報告する.
ISSN:0289-3770