頸髄損傷患者における呼吸理学療法手技が呼吸調節システムに及ぼす影響

呼吸運動は, 末梢からの情報を呼吸中枢に統合することでコントロールされている. その末梢からの情報には, 化学的なものと神経学的なものがあり呼吸を調節している. 化学的な調節には, 動脈血のPaO_2 , PaCO_2 . pHの変動の感知によるものがあり, 神経学的な調節には, 迷走神経による伸展反射や肋間筋の筋紡錘からの感覚入力等をガンマループ系を介してVTをコントロールするものがある. 呼吸理学療法は呼吸運動の改善を目的としており, その手技には, 化学的調節に外的に影響を与える呼気再呼吸訓練や, 神経学的調節に外的影響を与える呼吸介助手技がある. それぞれの手技の効果については, 頸髄...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. suppl-2; p. 589
Main Author 堀秀昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1998
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Summary:呼吸運動は, 末梢からの情報を呼吸中枢に統合することでコントロールされている. その末梢からの情報には, 化学的なものと神経学的なものがあり呼吸を調節している. 化学的な調節には, 動脈血のPaO_2 , PaCO_2 . pHの変動の感知によるものがあり, 神経学的な調節には, 迷走神経による伸展反射や肋間筋の筋紡錘からの感覚入力等をガンマループ系を介してVTをコントロールするものがある. 呼吸理学療法は呼吸運動の改善を目的としており, その手技には, 化学的調節に外的に影響を与える呼気再呼吸訓練や, 神経学的調節に外的影響を与える呼吸介助手技がある. それぞれの手技の効果については, 頸髄損傷患者において, 横隔膜筋電図を用いて研究しており検証してきた. 今回, 呼吸調節システムに外的に影響を与えない深呼吸訓練と, 影響を与える両手技の違いについて横隔膜筋電図で比較し, 呼吸理学療法手技が呼吸調節システムヘの与える影響について検討したので報告する.
ISSN:0289-3770