筋緊張性ジストロフィー患者の呼吸筋力の推移

筋緊張性ジストロフィー(myotonic dystrophy,以下MyDと略)は成人型筋ジストロフィーの中で最も発生頻度が高く, 骨格筋のミオトニア, 萎縮・筋力低下に加えて全身の多臓器に広範な障害を示す疾患である. 1994年に行われた厚生省筋ジス研究班の全国調査の結果では, 非先天型患者の平均死亡年齢は49.6歳であり, 死因では呼吸器感染症から呼吸不全で死亡する者が57%で最も多いと報告されている. そのため, MyDにおける理学療法では他の病型と同様に呼吸機能低下の遅延を図ることが重要であるが, MyDの呼吸機能に関する研究報告は少ない. そこで我々は, MyD患者の呼吸筋力の推移を明...

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Published in理学療法学 Vol. 25; no. suppl-2; p. 573
Main Authors 石川玲, 宇野光人, 高橋真, 山田誠治, 工藤正美, 大竹進, 塚本利昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1998
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Summary:筋緊張性ジストロフィー(myotonic dystrophy,以下MyDと略)は成人型筋ジストロフィーの中で最も発生頻度が高く, 骨格筋のミオトニア, 萎縮・筋力低下に加えて全身の多臓器に広範な障害を示す疾患である. 1994年に行われた厚生省筋ジス研究班の全国調査の結果では, 非先天型患者の平均死亡年齢は49.6歳であり, 死因では呼吸器感染症から呼吸不全で死亡する者が57%で最も多いと報告されている. そのため, MyDにおける理学療法では他の病型と同様に呼吸機能低下の遅延を図ることが重要であるが, MyDの呼吸機能に関する研究報告は少ない. そこで我々は, MyD患者の呼吸筋力の推移を明らかにするために, 1988年から最大口腔内圧を呼吸筋力の指標として測定してきた. 今回, これまでに得られたデータをもとにMyD患者の呼吸筋力と%VCの推移について検討したので報告する.
ISSN:0289-3770