当院における転移性脊椎腫瘍の術後早期理学療法

近年, 高齢化社会が進むにつれて, 転移性脊椎腫瘍に遭遇する機会が少なくなくなってきた. 当院整形外科において, これまでに, 転移性脊椎腫瘍に対し, 56例に手術的治療法を行い早期の理学療法及び, 患者のQOLについて考察し報告する. 対象は昭和55年から平成7年10月までの56例の転移性脊椎腫瘍患者であり, 男性37例女性19例で, (36~86才)平均年齢59.5才である. 原発部位は, 肺癌15例と最も多く肝癌, 乳癌, 前立腺癌, Grawitz腫瘍それぞれ4例, Myeloma6例, 悪性リンパ腫4例, MFH2例, 原発不明のadenocarcinoma15例であった. 脊椎転移...

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Published in理学療法学 Vol. 23; no. suppl-2; p. 210
Main Authors 上村恭生, 前本英樹, 益田俊佑, 前川清継, 岡嶋啓一郎, 高野晴夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1996
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ISSN0289-3770

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Summary:近年, 高齢化社会が進むにつれて, 転移性脊椎腫瘍に遭遇する機会が少なくなくなってきた. 当院整形外科において, これまでに, 転移性脊椎腫瘍に対し, 56例に手術的治療法を行い早期の理学療法及び, 患者のQOLについて考察し報告する. 対象は昭和55年から平成7年10月までの56例の転移性脊椎腫瘍患者であり, 男性37例女性19例で, (36~86才)平均年齢59.5才である. 原発部位は, 肺癌15例と最も多く肝癌, 乳癌, 前立腺癌, Grawitz腫瘍それぞれ4例, Myeloma6例, 悪性リンパ腫4例, MFH2例, 原発不明のadenocarcinoma15例であった. 脊椎転移部位は, 脊椎全域に散在して見られたが, 中下位胸椎, 下位腰椎に多く見られた. 術式はLaminectomy+LuqueRod固定(以下Luque法と略す)41例人工椎体置換術8例Laminectomyのみ6例pedicle screw1例であった. 術前の症状は, 全例に頑固な疼痛を認め, 通常の鎮痛剤ではコントロール不能で, 麻薬投与例が20例あった. ほとんどの症例で, 痛みのためのADLの制限が見られた.
ISSN:0289-3770