在宅理学療法へ移行した遷延型ギラン・バレー症候群の治療経験

ギランバレー症候群(以下GBSと略)は, 前駆症状より10~20日で麻痺は頂点に達し, 一般に予後は良好で, 6ヵ月~2年で, その2/3は完全に回復するが, 5~10%の患者では重度の障害が残り, 歩行不能に陥るケースもある. 機能的予後が不良となるものの要因として, (1)高齢(2)人工呼吸器の使用(3)前駆症状からベッド臥床までが短時間(4)運動神経伝導検査で, 遠位刺激時の誘発電位の振幅の著明な低下・消失等が, 挙げられる. 今回我々は, 入院加療から在宅理学療法(以下PTと略)へと継続フォローし, 予後不良と予測されながらも改善を示した遷延型のGBSの1症例を経験し, 若干の知見が得...

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Published in理学療法学 Vol. 21; no. suppl-2; p. 338
Main Authors 牛越浩司, 青木啓成, 植西ちあき, 白木小百合, 鈴木修, 中沢朗, 原寛美
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1994
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Summary:ギランバレー症候群(以下GBSと略)は, 前駆症状より10~20日で麻痺は頂点に達し, 一般に予後は良好で, 6ヵ月~2年で, その2/3は完全に回復するが, 5~10%の患者では重度の障害が残り, 歩行不能に陥るケースもある. 機能的予後が不良となるものの要因として, (1)高齢(2)人工呼吸器の使用(3)前駆症状からベッド臥床までが短時間(4)運動神経伝導検査で, 遠位刺激時の誘発電位の振幅の著明な低下・消失等が, 挙げられる. 今回我々は, 入院加療から在宅理学療法(以下PTと略)へと継続フォローし, 予後不良と予測されながらも改善を示した遷延型のGBSの1症例を経験し, 若干の知見が得たので報告する.
ISSN:0289-3770