等速性筋力からみた跳躍能力

跳躍高は, 離地直後の重心速度で決まり, 重心速度は地面を蹴る際に発揮した体重当たりの力学的仕事によって決まる. このパワーは筋収縮による内力を関節リンク機構を通し, 関節トルクに変換することにより生じる. 下肢の筋力特性から跳躍動作を見た場合重要なのは, 関節の運動中に筋のパワーを体重当たりどれだけ発揮できるか評価することである. 等速性筋力測定機を用い膝関節トルクデータから跳躍能力を考察するには, トルクと角速度の積を時間に対して積分し, 体重で除した値(以下W/m)が評価指標となると考えられる. 今回, 我々は, 低速度から高速度までの各速度別にW/m値を求め, 跳躍高との関係を調べた....

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Bibliographic Details
Published in理学療法学 Vol. 20; no. suppl-1; p. 90
Main Authors 石井慎一郎, 木野田典保, 福士宏紀, 下田修, 浅野信一
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1993
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Summary:跳躍高は, 離地直後の重心速度で決まり, 重心速度は地面を蹴る際に発揮した体重当たりの力学的仕事によって決まる. このパワーは筋収縮による内力を関節リンク機構を通し, 関節トルクに変換することにより生じる. 下肢の筋力特性から跳躍動作を見た場合重要なのは, 関節の運動中に筋のパワーを体重当たりどれだけ発揮できるか評価することである. 等速性筋力測定機を用い膝関節トルクデータから跳躍能力を考察するには, トルクと角速度の積を時間に対して積分し, 体重で除した値(以下W/m)が評価指標となると考えられる. 今回, 我々は, 低速度から高速度までの各速度別にW/m値を求め, 跳躍高との関係を調べた. その結果, 跳躍動作における筋の収縮形態を示唆する興味ある知見を得たのでここに報告する.
ISSN:0289-3770