理学療法によるヒト骨格筋のエネルギー代謝変化の観察-^^31 P-MRSによる検討
「目的」近年, MR(Magnetic Resonance:磁気共鳴)装置の臨床応用は多岐にわたり, その有用性は広く評価されてきている. MR検査は, 主にMRI(MR-Imaging)及びMRS(MR-Spectroscopy)の2つに分けられ, MRIは画像診断に, MRSは細胞内エネルギー代謝や組織内pHの変動などの評価に応用されている. 特にMRSにおいては, ^1 H-, ^^13 C-, ^^17 O-, ^^19-, ^^23 Na-, ^^29 K-, ^^31 P-MRSなど各核種の代謝変化が観測され, それらの臨床応用が検討されてきている. 今回, ヒト骨格筋に対する各種...
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Published in | 理学療法学 Vol. 18; no. suppl; p. 152 |
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Main Authors | , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
1991
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Summary: | 「目的」近年, MR(Magnetic Resonance:磁気共鳴)装置の臨床応用は多岐にわたり, その有用性は広く評価されてきている. MR検査は, 主にMRI(MR-Imaging)及びMRS(MR-Spectroscopy)の2つに分けられ, MRIは画像診断に, MRSは細胞内エネルギー代謝や組織内pHの変動などの評価に応用されている. 特にMRSにおいては, ^1 H-, ^^13 C-, ^^17 O-, ^^19-, ^^23 Na-, ^^29 K-, ^^31 P-MRSなど各核種の代謝変化が観測され, それらの臨床応用が検討されてきている. 今回, ヒト骨格筋に対する各種理学療法(徒手療法:機械的刺激, ホットパック:温熱刺激, アイスパック:寒冷刺激)がもたらす筋内高エネルギーリン酸代謝の変化を^^31 P-MRSにて測定し, 理学療法における^^31 P-MRSの有用性について検討した. 「対象および方法」対象は11人(男3人, 女8人)の下腿筋25例(健常筋14例, 脳血管障害による麻痺筋3例, 筋筋膜性疼痛症候群と診断され筋扼感を訴える筋8例), 平均年令32.5±13.7才. 被験者は, 仰臥位にて下腿部後面にプロトン用Surface coilを装着し, シミングを行った後^^31 P用Surface coilを再度装着し安静時スペクトルを得た. 次に下腿筋に対して, 徒手療法, ホットパック, アイスパックを個別に各々10分間施行し, 各々の治療中, 或いは治療後の^^31 P-MRS測定を3分間隔にて行った. 装置は, GE社製全身用MRI/S装置(静磁場強度1.5テスラ), 同社製プロトン用及び^^31 P用Surface coilを使用. 測定条件は, パルス繰り返し時間3500msec, 積算回数16回, Specrec法にて測定した. |
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ISSN: | 0289-3770 |