正常児の四つ這いにおける移動周期の変化
正常連動発達における四つ這いは, 支持器官としての定の発達, そして手の把握・支持・認識器官としての発達にも関与する重要な発達指標である. 我々は, この四つ這いを臨床の場において客観的に評価する一つの試みとして, 筋電図を用いた分析を行い, 第21回の本学会にて報告した. 正常な四つ這いの成熟過程における筋電図の特徴は, つかまり立ち, 伝い歩き, 独歩へと発達が進むににつれて(1)活動電位は小さくなる(2)活動相は短く, リズミカルなものに移行する(3)筋電図止の変化は四肢末梢の筋群よりも肩甲帯・骨盤帯を含む躯幹の筋群において著明であるという事であった. これらの特徴は, 四つ這いが次第に...
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Published in | 理学療法学 Vol. 18; no. suppl; p. 124 |
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Main Authors | , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本理学療法士協会
1991
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ISSN | 0289-3770 |
Cover
Summary: | 正常連動発達における四つ這いは, 支持器官としての定の発達, そして手の把握・支持・認識器官としての発達にも関与する重要な発達指標である. 我々は, この四つ這いを臨床の場において客観的に評価する一つの試みとして, 筋電図を用いた分析を行い, 第21回の本学会にて報告した. 正常な四つ這いの成熟過程における筋電図の特徴は, つかまり立ち, 伝い歩き, 独歩へと発達が進むににつれて(1)活動電位は小さくなる(2)活動相は短く, リズミカルなものに移行する(3)筋電図止の変化は四肢末梢の筋群よりも肩甲帯・骨盤帯を含む躯幹の筋群において著明であるという事であった. これらの特徴は, 四つ這いが次第に効率の良い移動運動へと推移していることを示しており, そのためには躯幹の安定性の獲得が重要であることを示唆している. しかし臨床の場においては, 筋電図を用いて動作を分抗する機会は少なく, 我々は通常, 観察によって動作を分析・評価し, 治療を行っている. そこで今回, 『筋電図による分析結果をより良く理解し, 日々の臨床の場面において四つ這いを分析・評価するうえでの指標を得る』という目的のもとに, 四つ這いの動作分析表を試作し, これによる正常児の四つ這い分析を試みた. ここではその第一報として, 移動の時間的要素について報告する. |
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ISSN: | 0289-3770 |