頸髄損傷患者の呼吸困難感について

今回我々はティルトテーブルによる起立訓練の際に吸気性の呼吸困難を訴える頚髄損傷の症例を経験し, その原因を探る目的で, 起立訓練時における呼吸生理学的変化を検討した. また下腹部に腹帯を装着して再度起立させると, 呼吸困難の消失を認めたのでその腹帯の効果についても合わせて報告する. 症例 症例は第2~4頚椎骨折によるC5レベル以下完全麻痺を持つ, 47歳女性である. 受傷から測定までの期間は約9か月であった. 安静時肺機能検査成績は拘束性換気障害を呈し残気量は増加していた. またPao2は正常値を保っていたがPaco2は上昇傾向にあった....

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Published in理学療法学 Vol. 17; no. suppl; p. 287
Main Authors 錦本哲郎, 有藤孝治, 有田浩之, 杉田孝
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1990
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Summary:今回我々はティルトテーブルによる起立訓練の際に吸気性の呼吸困難を訴える頚髄損傷の症例を経験し, その原因を探る目的で, 起立訓練時における呼吸生理学的変化を検討した. また下腹部に腹帯を装着して再度起立させると, 呼吸困難の消失を認めたのでその腹帯の効果についても合わせて報告する. 症例 症例は第2~4頚椎骨折によるC5レベル以下完全麻痺を持つ, 47歳女性である. 受傷から測定までの期間は約9か月であった. 安静時肺機能検査成績は拘束性換気障害を呈し残気量は増加していた. またPao2は正常値を保っていたがPaco2は上昇傾向にあった.
ISSN:0289-3770