在宅人工呼吸(Home Care Ventilation)への取り組みの現状と展望

長期人工呼吸患者であっても, 病状が安定し, しかも本人や家族が在宅での生活を希望する場合, その在宅療養を実現させ得る条件は何であろうか. 我々は, 在宅人工呼吸を実施した神経疾患・筋疾患の2症例に対する取り組みを通して, この問題を検討した. その結果, 人工呼吸下での病態の安定, 本人や家族の在宅人工呼吸への理解と熱意, 家庭における十分な介護力, 人工呼吸器の確保とメンテナンス, 緊急時の医療体制, 病院と地域とのネットワークなどが重要であることがわかった. また, 理学療法士も地域医療活動に参加し, 患者の残存能力を最大限に引き出し, その積極的な生活態度を支援する展望と実践が必要で...

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Published in理学療法学 Vol. 17; no. 5; pp. 453 - 457
Main Authors 吉川卓司, 藤井宏匡, 木村謙太郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1990
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Summary:長期人工呼吸患者であっても, 病状が安定し, しかも本人や家族が在宅での生活を希望する場合, その在宅療養を実現させ得る条件は何であろうか. 我々は, 在宅人工呼吸を実施した神経疾患・筋疾患の2症例に対する取り組みを通して, この問題を検討した. その結果, 人工呼吸下での病態の安定, 本人や家族の在宅人工呼吸への理解と熱意, 家庭における十分な介護力, 人工呼吸器の確保とメンテナンス, 緊急時の医療体制, 病院と地域とのネットワークなどが重要であることがわかった. また, 理学療法士も地域医療活動に参加し, 患者の残存能力を最大限に引き出し, その積極的な生活態度を支援する展望と実践が必要であると考えられる.
ISSN:0289-3770