クーリングダウンによる心拍数と血圧の変化

近年, 運動負荷訓練後のクーリングダウンの必要性が指摘されており, その目的は, 乳酸の除去・酸素負債消却の促進・めまい, はきけ, 過換気の防止等があげられている. しかし, 臨床における具体的な方法についての報告は少ない. 今回我々は, 適切なクーリングダウンの方法を把握するために, 心拍数・血圧に対するクーリングダウンの影響を検討したので報告する. <対象と方法> 心循環器系に既往のない健常者を対象に, 各々の予測最大心拍数(以下HRmax)を算出した. その60%の運動負荷を行う%HRmax60%負荷群(以下60%負荷群)は, 男性3名, 女性2名, 年齢21~32才(平均25.6才)...

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Published in理学療法学 Vol. 16; no. suppl; p. 40
Main Authors 中村啓文, 林克郎, 山田彰, 松下洋晴, 岡村敦子, 伊藤知子, 村上恵一, 本田哲三
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1989
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Summary:近年, 運動負荷訓練後のクーリングダウンの必要性が指摘されており, その目的は, 乳酸の除去・酸素負債消却の促進・めまい, はきけ, 過換気の防止等があげられている. しかし, 臨床における具体的な方法についての報告は少ない. 今回我々は, 適切なクーリングダウンの方法を把握するために, 心拍数・血圧に対するクーリングダウンの影響を検討したので報告する. <対象と方法> 心循環器系に既往のない健常者を対象に, 各々の予測最大心拍数(以下HRmax)を算出した. その60%の運動負荷を行う%HRmax60%負荷群(以下60%負荷群)は, 男性3名, 女性2名, 年齢21~32才(平均25.6才), %HRmax80%負荷群(以下80%負荷群)は, 男性2名, 女性2名, 年齢21~26才(平均24才)であった. 方法は, 前述した運動負荷を10分間トレッドミルにて加えた. クーリングダウン(以下CD)施行群は, 施行時間を, 3分・5分・7分の3種類とし, その施行量は各運動負荷の1/2の強度のもの(以下1/2CD)と1/3の強度のもの(以下1/3CD)の2種類とした. 一方, CD非施行群としては, 運動終了後直ちに安静をとらせた. 安静は, 各実験とも15分間安静坐位を保持した. 心拍数(以下HR)はECGモニター(福田電子社製カーディオケアユニ)を用い, 血圧は右上腕にて収縮期血圧(以下BP)を測定した. 測定は運動負荷前より開始し, 15分間の安静が終了するまで1分毎に行った. 測定したHR,BPからDouble Product(以下DP)を算出した. これらの3つの指標から, CD施行群・非施行群について各々検討した.
ISSN:0289-3770