EMGよりみた片麻痺健側の代償性に関する研究(第1報)

「目的」近年片麻痺患者の健側に関する研究が注目され, Cybexで筋トルクに関した報告がなされている. これによると健側の筋力低下や, 廃用性筋萎縮について明らかにされてきた. しかし筋活動よりみた健側の代償性に関する報告は, 極めて少ない. そこで今回我々は筋電計を用い, 筋活動からみた健側の代償性について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 「方法」1. EMG計測システム:多用途誘発反応装置(MEB-3102B, 日本光電製)にプリアンプを接続し, 表面電極によりEMGを導出し, 生波形および整流平滑処理波形を放電記録計により同時記録した. %EMGの計測は最大筋活動を100%として...

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Published in理学療法学 Vol. 16; no. suppl; p. 11
Main Authors 音野典子, 小島秀樹, 小島直樹, 山田道廣, 木下信博, 田中正昭, 山口洋一, 真島東一郎
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1989
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Summary:「目的」近年片麻痺患者の健側に関する研究が注目され, Cybexで筋トルクに関した報告がなされている. これによると健側の筋力低下や, 廃用性筋萎縮について明らかにされてきた. しかし筋活動よりみた健側の代償性に関する報告は, 極めて少ない. そこで今回我々は筋電計を用い, 筋活動からみた健側の代償性について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 「方法」1. EMG計測システム:多用途誘発反応装置(MEB-3102B, 日本光電製)にプリアンプを接続し, 表面電極によりEMGを導出し, 生波形および整流平滑処理波形を放電記録計により同時記録した. %EMGの計測は最大筋活動を100%として, 各動作のピーク値を測定し, 正規化を行った. 2. 被験筋と電極位置:片麻痺患者では骨盤固定が充分でない例が多いため, 代償性をみる指標の1つとして中殿筋を選んだ. 表面電極の貼付位置はDelagi等に準じ, 中腋窩線上で腸骨稜より1インチ下方とし, 電極間距離は3cmとした. 3. 対象:被験者は健常者20名(男性10名, 女性10名), 片麻痺患者21名(男性14名, 女性7名)を用いた. なおBr-stageはIIIIV12名, VVI19名である. 4. 測定動作:3つの動作を実施し, 1つの動作時間は3秒間かけて行わせた. 椅子からの立ち上がり動作・患側を一歩踏み出すステップ動作・15cm台に患側挙上動作である.
ISSN:0289-3770