在宅障害者に対するリハ機器第1報

横浜市総合リハビリデーションセンターは, 昭和62年10月に開設しましたが, その中核的事業の1つとして地域リハビリテーションサービスを重視し, それを専門とする独立部門を設置致しました. この事業を実施するにあたり, その準備として昭和59年7月より一部の区を対象に試験的な在宅訪問サービスを実施して来ました. その対象は, 身体障害のため在宅を余儀なくされている重度の障害者です. この中で理学療法士は, リハ医の依頼に基づき機能維持及び改善のための訓練や, 介護者への介助法の指導, または家屋改造の指導などを実施して来ました. これらの経験の中で私共は, 病院等で処方された車椅子が在宅生活で...

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Published in理学療法学 Vol. 15; no. suppl; p. 75
Main Authors 今吉晃, 畠中泰司, 宮崎貴朗, 尾島久美子, 秋田裕, 中石睦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本理学療法士協会 1988
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ISSN0289-3770

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Summary:横浜市総合リハビリデーションセンターは, 昭和62年10月に開設しましたが, その中核的事業の1つとして地域リハビリテーションサービスを重視し, それを専門とする独立部門を設置致しました. この事業を実施するにあたり, その準備として昭和59年7月より一部の区を対象に試験的な在宅訪問サービスを実施して来ました. その対象は, 身体障害のため在宅を余儀なくされている重度の障害者です. この中で理学療法士は, リハ医の依頼に基づき機能維持及び改善のための訓練や, 介護者への介助法の指導, または家屋改造の指導などを実施して来ました. これらの経験の中で私共は, 病院等で処方された車椅子が在宅生活では有効に活用されていない現実を踏まえ, 日本家屋により適し, 更に介護者の介助量を軽減することを目的に, 多目的介助用車椅子(以下車椅子と略す)を作製し, その利用を進めて来ました. この車椅子は, 市販のシャワーチェアーを原型に, よりコンパクトで, 坐マットの着脱により椅子としてもシャワーチェアーとしても, 更にまた洋式トイレへもそのまま後方から入れます. この様にこの車椅子は, 多目的に利用できることが特徴で日常生活の中で利用頻度を多くすることが明徳できます. 尚, この車椅子の適応は, 主に坐位バランスが安定しているか, 耐久性が一定以上認められること, また介護者の意欲が認められ, 更に家屋環境で段差があまりないか, 改造が可能なことが必要条件です. 今回は, この車椅子の利用状況を調査し, その結果に基づいて, 理学療法士の役割について検討したので報告します.
ISSN:0289-3770