術後経口摂取改善の試み

口唇, 口蓋裂児の周術期管理の安全性を向上する目的に臨床統計的観察を行っている. 第2報にて, 口蓋形成術後の80%に経口摂取障害が認められた. また, 術後1週間の時点にて術前との体重変化率が-2%である, 有意な体重減少を約30%に認めた, といったことを報告した. 今回我々は口蓋形成術後の疼痛を緩和し経口摂取を改善する目的にて, リドカインの吸入を試みた. その概要につき報告する. 症例は口蓋形成術後の11例で心疾患などの合併疾患のあるものは除外した. 手術法は粘膜弁法6例・push-back法3例・pullup-ward法2例で行った. リドカインは1日量7mg/kgを毎食前に吸入した...

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Published in小児口腔外科 Vol. 8; no. 2; p. 47
Main Authors 木下弘幸, 古川博雄, 新美照幸, 夏目長門, 河合幹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本小児口腔外科学会 1998
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ISSN0917-5261

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Summary:口唇, 口蓋裂児の周術期管理の安全性を向上する目的に臨床統計的観察を行っている. 第2報にて, 口蓋形成術後の80%に経口摂取障害が認められた. また, 術後1週間の時点にて術前との体重変化率が-2%である, 有意な体重減少を約30%に認めた, といったことを報告した. 今回我々は口蓋形成術後の疼痛を緩和し経口摂取を改善する目的にて, リドカインの吸入を試みた. その概要につき報告する. 症例は口蓋形成術後の11例で心疾患などの合併疾患のあるものは除外した. 手術法は粘膜弁法6例・push-back法3例・pullup-ward法2例で行った. リドカインは1日量7mg/kgを毎食前に吸入した. これらの症例に対して周術期の体重変化・経口摂取量などについての観察を行った. 結果術後1週間の時点で体重変化率が-2%を越えて減少したのは1例のみであった. 他の10例では経口摂取障害は軽度にとどまった. リドカイン吸入によると思われる副作用は認められなかった.
ISSN:0917-5261