慢性期頸髄損傷者の呼吸機能

慢性期頸髄損傷完全四肢麻痺患者の呼吸機能を知る目的で, 22例の対象に対し, 換気機能および痰喀出能力について, 仰臥位・車椅子坐位にて調査した. そして, 各体位別・各機能レベル別・痰喀出能力別のそれぞれの呼吸機能について検討した. その結果全体としてはほぼ拘束性の換気障害を認めた. 体位別においては%VCは仰臥位の方が有意であり, FEV_1.0 %は, 車椅子坐位の方が優位であった. 機能レベル別にみると, レベルが良好なものほど%VCは優位であり, 質的な変化はあるものの体位による差は少なかった. 痰喀出能力については, 車椅子坐位の%VC・PEFRにおいて, 痰喀出可能群が優位であり...

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Published in運動生理 Vol. 7; no. 2; pp. 75 - 80
Main Authors 長野真, 肥塚二美子, 鏑木武, 堀竜次, 飯西仁美, 岡野勝正
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 理学療法科学学会 1992
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ISSN0912-7100

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Summary:慢性期頸髄損傷完全四肢麻痺患者の呼吸機能を知る目的で, 22例の対象に対し, 換気機能および痰喀出能力について, 仰臥位・車椅子坐位にて調査した. そして, 各体位別・各機能レベル別・痰喀出能力別のそれぞれの呼吸機能について検討した. その結果全体としてはほぼ拘束性の換気障害を認めた. 体位別においては%VCは仰臥位の方が有意であり, FEV_1.0 %は, 車椅子坐位の方が優位であった. 機能レベル別にみると, レベルが良好なものほど%VCは優位であり, 質的な変化はあるものの体位による差は少なかった. 痰喀出能力については, 車椅子坐位の%VC・PEFRにおいて, 痰喀出可能群が優位であり, 可能群に機能レベルの良いものが多かった.
ISSN:0912-7100