五苓散が奏効した症候性三神経痛の1例

「I はじめに」 三叉神経痛の補助療法に, さまざまな漢方薬が有用であることが報告されている. 今回, 五苓散が奏効した小脳テント髄膜腫による症候性三叉神経痛症例を経験したので報告する. 「II 症例」 58歳, 女性. 小脳テント髄膜腫に対し, 2011年に開頭摘出術, 2012年にサイバーナイフ療法を施行されていた. 2013年暮れより右三叉神経第3枝領域の右口角から下顎に痛みが出現したため, 歯科に通院したが改善がみられず当院脳神経外科を受診, 精査にて小脳テント髄膜腫の再発による症候性三叉神経痛と診断された. カルバマゼピン300mg/日, プレガバリン225mg/日を処方され痛みはや...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 23; no. 4; pp. 568 - 569
Main Authors 佐野秀樹, 木村哲朗, 寺田和弘, 加藤孝澄, 中島芳樹
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 25.10.2016
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Summary:「I はじめに」 三叉神経痛の補助療法に, さまざまな漢方薬が有用であることが報告されている. 今回, 五苓散が奏効した小脳テント髄膜腫による症候性三叉神経痛症例を経験したので報告する. 「II 症例」 58歳, 女性. 小脳テント髄膜腫に対し, 2011年に開頭摘出術, 2012年にサイバーナイフ療法を施行されていた. 2013年暮れより右三叉神経第3枝領域の右口角から下顎に痛みが出現したため, 歯科に通院したが改善がみられず当院脳神経外科を受診, 精査にて小脳テント髄膜腫の再発による症候性三叉神経痛と診断された. カルバマゼピン300mg/日, プレガバリン225mg/日を処方され痛みはやや軽減したが, 眠気のため仕事に支障をきたすようになり, さらなる薬剤の増量も困難となった. 腫瘍が増大, あるいは症状が悪化するようであれば, サイバーナイフ, または開頭腫瘍摘出術が行われる予定となっていたが, 当座の鎮痛目的のためペインクリニック外来へ紹介となった.
ISSN:1340-4903