3-1. レミフェンタニルを用いて麻酔管理を行った腹腔鏡下卵巣手術症例の術後鎮痛剤使用状況の検討

目的:全身麻酔にレミフェンタニル使用する場合, 投与中止後早期に鎮痛効果が消失するため術後痛対策に工夫が必要であるとされる. レミフェンタニル使用例の術後痛状況をフェンタニル使用例と比較検討する. 対象:2006年6月から2008年6月まで, 予定された腹腔鏡下卵巣手術を受けた患者を対象とした. 方法:麻酔維持としてフェンタニルとセボフルランで維持した群(F群)と平成2007年3月以降レミフェンタニルとセボフルランで維持した群(R群)を対象とし, 鎮痛剤使用, 悪心嘔吐, ふるえについて患者記録から抽出して比較した. 結果:R群48例, F群31例が該当した. 患者背景に群間の差はなかった....

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 16; no. 2; p. 178
Main Authors 志賀卓弥, 田島つかさ, 石川高, 櫻田幽美子, 袖山直也, 安藤幸吉, 筆田廣登
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2009
Online AccessGet full text
ISSN1340-4903

Cover

More Information
Summary:目的:全身麻酔にレミフェンタニル使用する場合, 投与中止後早期に鎮痛効果が消失するため術後痛対策に工夫が必要であるとされる. レミフェンタニル使用例の術後痛状況をフェンタニル使用例と比較検討する. 対象:2006年6月から2008年6月まで, 予定された腹腔鏡下卵巣手術を受けた患者を対象とした. 方法:麻酔維持としてフェンタニルとセボフルランで維持した群(F群)と平成2007年3月以降レミフェンタニルとセボフルランで維持した群(R群)を対象とし, 鎮痛剤使用, 悪心嘔吐, ふるえについて患者記録から抽出して比較した. 結果:R群48例, F群31例が該当した. 患者背景に群間の差はなかった. 術中に使用されたフェンタニル量はF群で多かった. 術後鎮痛剤使用回数はR群で多い傾向があった. 術直後のふるえはR群に多い傾向があった. 術後の悪心嘔吐は両群に差を認めなかった. 考察:レミフェンタニル使用開始直後の麻酔管理症例が対象となった. レミフェンタニルの鎮痛効果が短時間で消失するため, 術後鎮痛剤使用回数が増加する可能性があると考えた. また, フェンタニル投与量が少なく, 投与方法がランダムであったことが術後痛管理に影響する可能性があると思われた.
ISSN:1340-4903