2. 心理テスト(Hospital Anxiety and Depression Scale)を用いた初診患者評価法
疼痛患者に心理テストであるHospital Anxiety and Depression Scale(HAD)を行い, 初診時の抑うつや不安の程度と治療効果とに相関関係があるか検討した. HADは抑うつと不安を評価しそれぞれ点数化するが, より簡便にするためにABC分類を行い, 抑うつや不安がない時はA, 疑いはB, 確定時はCとし, 例えば抑うつなし, 不安疑いの例ではABと表記した. 対象は当院ペインクリニック外来初診患者150例で, 患者背景は男性71例55.7±18.7歳, 女性79例58.6±17.3歳で男女差はなかった. 疾患は帯状疱疹45例, 腰下肢痛25例, 頸肩腕部痛24例,...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 13; no. 1; p. 23 |
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Main Authors | , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2006
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 疼痛患者に心理テストであるHospital Anxiety and Depression Scale(HAD)を行い, 初診時の抑うつや不安の程度と治療効果とに相関関係があるか検討した. HADは抑うつと不安を評価しそれぞれ点数化するが, より簡便にするためにABC分類を行い, 抑うつや不安がない時はA, 疑いはB, 確定時はCとし, 例えば抑うつなし, 不安疑いの例ではABと表記した. 対象は当院ペインクリニック外来初診患者150例で, 患者背景は男性71例55.7±18.7歳, 女性79例58.6±17.3歳で男女差はなかった. 疾患は帯状疱疹45例, 腰下肢痛25例, 頸肩腕部痛24例, 原発性神経痛23例, その他33例であった. 治療効果は治療開始1~2ヵ月後に看護師が改善度を問うことで評価し, 著効27例, 有効38例, 不変60例, 悪化0例, 不明25例であった. 初診時HADの結果と治療効果に相関関係は認めなかった. HADは簡便であり, 検査, 評価ともに短時間で行うことができるが初診時にHADで抑うつや不安が強いとされた症例でも治療効果が悪くなる傾向は認めず, 抑うつと不安がともにない例が治癒しやすいともいえない. |
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ISSN: | 1340-4903 |