14. 難渋するクローン病患者の疼痛コントロールからみたPCAポンプの功罪
Patient controlled analgesia(PCA:患者管理鎮痛)ポンプを用いて難治性疼痛の制御を行った症例を報告する. 症例は31歳, 男性. 16歳時にクローン病を発症し, 複数回の外科的処置を受けていた. 腹壁には複数の外瘻があったが, 新たに十二指腸球部から腹部正中手術創上部に瘻孔が形成され, 排液時に腸瘻部と瘻孔周囲にヒリヒリする痛みが生じた. IVHポートが埋め込まれていたこと, 内服では腸瘻から薬剤が排出し効果がないこと, 坐剤や硬膜外での薬物投与をいやがることから, 輸液ポンプでの塩酸モルヒネとケタミンの持続静注を開始した. 突出痛が生じた際には, 追加分の薬剤を...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 12; no. 1; p. 36 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2005
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Summary: | Patient controlled analgesia(PCA:患者管理鎮痛)ポンプを用いて難治性疼痛の制御を行った症例を報告する. 症例は31歳, 男性. 16歳時にクローン病を発症し, 複数回の外科的処置を受けていた. 腹壁には複数の外瘻があったが, 新たに十二指腸球部から腹部正中手術創上部に瘻孔が形成され, 排液時に腸瘻部と瘻孔周囲にヒリヒリする痛みが生じた. IVHポートが埋め込まれていたこと, 内服では腸瘻から薬剤が排出し効果がないこと, 坐剤や硬膜外での薬物投与をいやがることから, 輸液ポンプでの塩酸モルヒネとケタミンの持続静注を開始した. 突出痛が生じた際には, 追加分の薬剤を看護師または医師が静注した. 追加要求が頻回になり投与量が増えたことや麻薬の安全管理のためにPCAポンプでの投与に変更した. PCAポンプの記録データを参考にして, 次回の最大投与可能な量を増減した. 塩酸モルヒネ投与量を半分以下に減量できた. PCAポンプの記録データからどのような時間帯に痛みが増強するかを把握できた. 一方, 要求時や追加投与時に患者の訴えが医療従事者に伝わらず患者が不満を感じることがあった. |
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ISSN: | 1340-4903 |