2―077 多発性脳神経障害を伴った眼部帯状疱疹の2症例

三叉神経第1枝帯状疱疹に多発性脳神経障害を伴った症例を経験したので報告する. 【症例1】77歳, 男性. 2003年7月11日, 右三叉神経第1枝帯状疱疹にて当院眼科, 皮膚科にて加療を受け一旦軽快した後, 疼痛増強したため第26病日当科紹介受診. 第28病日より持続硬膜外ブロック, 星状神経節ブロック, 眼窩上神経ブロック, 薬物による加療を開始した. 第31病日頃よりふらつきが強くなり, 第35病日に硬膜外ブロック中止するもふらつきは不変. 頭部CTにて異常所見はなかったが, 神経内科診にてヘルペスによる右2, 3, 4, 5, 6脳神経の末梢性障害と診断された. 第43病日頃より疼痛,...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 11; no. 3; p. 336
Main Authors 眞田かなえ, 高雄由美子, 森川 修, 児玉俊一, 尾原秀史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2004
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Summary:三叉神経第1枝帯状疱疹に多発性脳神経障害を伴った症例を経験したので報告する. 【症例1】77歳, 男性. 2003年7月11日, 右三叉神経第1枝帯状疱疹にて当院眼科, 皮膚科にて加療を受け一旦軽快した後, 疼痛増強したため第26病日当科紹介受診. 第28病日より持続硬膜外ブロック, 星状神経節ブロック, 眼窩上神経ブロック, 薬物による加療を開始した. 第31病日頃よりふらつきが強くなり, 第35病日に硬膜外ブロック中止するもふらつきは不変. 頭部CTにて異常所見はなかったが, 神経内科診にてヘルペスによる右2, 3, 4, 5, 6脳神経の末梢性障害と診断された. 第43病日頃より疼痛, ふらつきともに軽減, 第54病日に軽快退院となった. 【症例2】88歳, 女性. 2003年12月26日, 左三叉神経第1枝帯状疱疹発症, 他院で加療を受けた後, 疼痛強いため当科紹介受診. 星状神経節ブロック, 眼窩上神経ブロック, 薬物による加療を開始した. 結膜炎のため眼脂が多く評価困難であったが左眼視力障害, 散瞳, 外転神経麻痺を認めた. 眼科的加療を並行して行い, 3ヶ月後には疼痛, 眼症状ともに軽減した. 以上の症例について若干の文献的考察を加えて発表する.
ISSN:1340-4903