2―067 筋筋膜痛症患者の心理状態に関する研究

【目的】当科に紹介される口腔顔面痛患者の中にも咀嚼筋頚肩部筋の筋筋膜痛症候群(以下, MPS)患者が多い. これらの患者は複数の医療機関を受診したが, 原因不明, 不定愁訴, 心因性疼痛とされ, 適切な治療が行われなかったため慢性化する傾向にある. 患者は抑うつ状態や不安を抱えることが多くなり, 疼痛閾値を低下させている印象を受ける. また, MPS患者に共通なパーソナリティーも感じる. 今回, MPS患者の抑うつ状態, 不安について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 【方法】対象は当院疼痛外来を受診したMPS患者 40名とした. 対照群として, 口腔顔面領域の外科手術で発症した三叉神経...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 11; no. 3; p. 333
Main Authors 椎葉俊司, 坂本英治, 坂本和美, 河原 博, 仲西 修
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2004
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Summary:【目的】当科に紹介される口腔顔面痛患者の中にも咀嚼筋頚肩部筋の筋筋膜痛症候群(以下, MPS)患者が多い. これらの患者は複数の医療機関を受診したが, 原因不明, 不定愁訴, 心因性疼痛とされ, 適切な治療が行われなかったため慢性化する傾向にある. 患者は抑うつ状態や不安を抱えることが多くなり, 疼痛閾値を低下させている印象を受ける. また, MPS患者に共通なパーソナリティーも感じる. 今回, MPS患者の抑うつ状態, 不安について検討し, 若干の知見を得たので報告する. 【方法】対象は当院疼痛外来を受診したMPS患者 40名とした. 対照群として, 口腔顔面領域の外科手術で発症した三叉神経ニューロパシー患者 40名を設定した. SDS, STAI, 疼痛の程度(VAS)と各数値の相関関係の有無について検討した. 【結果】MPS患者はうつ傾向と不安が強いこと, SDSとVAS, SDSと特性不安の間には相関関係が認められた. 【結論】うつ状態を改善することが疼痛軽減につながると予測される. また, MPS患者は不安が強い患者に発症しやすい傾向にあることが解った.
ISSN:1340-4903