2―032 癌性疼痛に対するオキシコンチンの使用経験

進行癌患者8例に対しオキシコンチン(OC)を使用し, 良好な鎮痛効果を得られたので報告する. 症例は直腸癌 3例, 胃癌 2例, 肝癌 1例, 膵癌 1例, 肺癌 1例の計8例で, 8例中5例は先行薬剤にペンタゾシン 25mg頓服もしくはリン酸コデイン 60~600mg/dayを使用中, 麻薬投与開始時OCを選択した(A群). 3例は他の麻薬よりOCに変更または併用開始した(B群). A群では全例OC 10mgから開始. 5例中2例は現在40mg/dayまで増量投与中. 3例は40mg, 80mg/dayまで増量後, 経口摂取不可となりフェンタニルパッチ(FP)に変更後永眠した. B群3例のう...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 11; no. 3; p. 321
Main Authors 天野栄三, 藤嵜江美子, 森岡幸憲, 川原玲子
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2004
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ISSN1340-4903

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Summary:進行癌患者8例に対しオキシコンチン(OC)を使用し, 良好な鎮痛効果を得られたので報告する. 症例は直腸癌 3例, 胃癌 2例, 肝癌 1例, 膵癌 1例, 肺癌 1例の計8例で, 8例中5例は先行薬剤にペンタゾシン 25mg頓服もしくはリン酸コデイン 60~600mg/dayを使用中, 麻薬投与開始時OCを選択した(A群). 3例は他の麻薬よりOCに変更または併用開始した(B群). A群では全例OC 10mgから開始. 5例中2例は現在40mg/dayまで増量投与中. 3例は40mg, 80mg/dayまで増量後, 経口摂取不可となりフェンタニルパッチ(FP)に変更後永眠した. B群3例のうち1例はFP使用中痒のため変更後永眠, 2例はFPでは安定した鎮痛が得られず, うち1例は変更, 1例は併用し経過中である. A群, B群とも全例rescueにはモルヒネシロップを2~4回/day頓服, 鎮痛補助薬にはメキシレチン, ジクロフェナクを併用し疼痛管理可能であった. 副作用としては, 嘔気 5例, 嘔吐 4例, 便秘 3例, 眠気 3例が認められた. OCは癌性疼痛に対して初期から使用可能で, opioid rotation, 併用の薬剤のひとつとしても有効と考えられた.
ISSN:1340-4903