14.動脈穿刺後神経障害をきたした2症例

症例1:55歳, 男性. 肝癌に対し肝右葉切除術が施行された. 右橈骨動脈より観血的動脈圧測定目的で20G留置針が挿入されたが, 術後より右1~3指のしびれ, 疼痛, 筋力低下, 知覚低下が出現, 動脈穿刺時の神経障害を疑われた. その後右手全体の腫脹, 骨間筋の萎縮, アロディニアが生じ, 星状神経節ブロック, 星状神経節近傍レーザー照射を施行, リハビリテーションを行った. 徐々に症状は軽快したが, 退院後も近医にてリハビリ等の加療を受けている. 症例2:73歳, 女性. 強皮症, 間質性肺炎で内科加療中, 血液ガス評価のため右肘窩部より動脈血採血を試みるも穿刺時に電撃痛, しびれがあり次...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 11; no. 1; p. 32
Main Authors 眞田かなえ, 高雄由美子, 森川修, 児玉俊一, 佐藤仁昭, 尾原秀史
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2004
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Summary:症例1:55歳, 男性. 肝癌に対し肝右葉切除術が施行された. 右橈骨動脈より観血的動脈圧測定目的で20G留置針が挿入されたが, 術後より右1~3指のしびれ, 疼痛, 筋力低下, 知覚低下が出現, 動脈穿刺時の神経障害を疑われた. その後右手全体の腫脹, 骨間筋の萎縮, アロディニアが生じ, 星状神経節ブロック, 星状神経節近傍レーザー照射を施行, リハビリテーションを行った. 徐々に症状は軽快したが, 退院後も近医にてリハビリ等の加療を受けている. 症例2:73歳, 女性. 強皮症, 間質性肺炎で内科加療中, 血液ガス評価のため右肘窩部より動脈血採血を試みるも穿刺時に電撃痛, しびれがあり次第に増強した. 動脈穿刺時の神経障害を疑われ, 星状神経節ブロック, リハビリテーションにて徐々に症状は改善した. 血管穿刺時には神経障害を生じる可能性を念頭において細心の注意を払い, 生じた場合は早期に治療を行うことが重要であると考える.
ISSN:1340-4903