2-A-64 保存療法で治癒した持続硬膜外カテーテルによる硬膜外膿瘍3症例
【症例1】慢性膵炎(膵胆管合流異常症術後)の36歳女性, 疼痛緩和目的で2003/1/27入院し持続硬膜外カテーテル(以下持続カテ)挿入, 1/26より39度台の発熱があり, 1/27カテを抜去, 1/28MRIで硬膜外膿瘍と診断されバンコマイシンを開始した. 1/29カテ先培養で表皮ブドウ球菌と判明しセファゾリンに変更, 2/11軽快退院し, 2/14MRIで膿瘍消退を確認した. 【症例2】慢性腎不全, 肝硬変の53歳女性, 左肺癌の術後痛で2001/12/7持続カテを挿入, 12/9より38度台の発熱があり, セフォチアム開始, 12/10カテ抜去, 12/11培養で黄色ブドウ球菌が検出,...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 400 |
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Main Authors | , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2003
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 【症例1】慢性膵炎(膵胆管合流異常症術後)の36歳女性, 疼痛緩和目的で2003/1/27入院し持続硬膜外カテーテル(以下持続カテ)挿入, 1/26より39度台の発熱があり, 1/27カテを抜去, 1/28MRIで硬膜外膿瘍と診断されバンコマイシンを開始した. 1/29カテ先培養で表皮ブドウ球菌と判明しセファゾリンに変更, 2/11軽快退院し, 2/14MRIで膿瘍消退を確認した. 【症例2】慢性腎不全, 肝硬変の53歳女性, 左肺癌の術後痛で2001/12/7持続カテを挿入, 12/9より38度台の発熱があり, セフォチアム開始, 12/10カテ抜去, 12/11培養で黄色ブドウ球菌が検出, セフォペラゾンスルバクタムに変更した. 12/14MRIで硬膜外膿瘍と診断された. 12/24抗生剤をセファゾリンに変更し, 2002/1/20軽快退院した. 【症例3】多発外傷(多発肋骨骨折等)の51歳女性, 2003/1/23入院し, 1/24持続カテ挿入1/29より39度台の発熱があり, 1/30血液, 胸水培養よりMRSA検出, 1/31バンコマイシン(VCM)を投与した. 2/5抜去したカテ先からもMRSAが検出, MRIでも硬膜外膿瘍と診断された. 3/5MRIで膿瘍縮小を確認し, 3/9VCMを終了した. 【結語】持続カテによる硬膜外膿瘍を3例経験した. 抗生物質による保存療法で治癒した. 診断等にMRIが有効だった. |
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ISSN: | 1340-4903 |