1-B-108 胸筋温存乳房切除術後鎮痛におけるオキシコドン使用の試み
【目的】乳癌手術は開腹や開胸手術に対して侵襲が小さいため術後管理が軽んじられる傾向があり, 鎮痛が不十分のことがある. 患者が女性, 比較的若年であり麻酔は全身麻酔で施行されるため術後のPONVのハイリスクグループとなる. 今回我々は胸筋温存乳房切除術後に硬膜外と静脈内にPONVなどの副作用の少ないオピオイドであるオキシコドンの持続投与を行いその効果を検討した. 【方法】ASA1~2の予定手術患者を硬膜外群(E群)と静注群(IV群)に分けE群はC7~Th5から硬膜腔内にカテーテルを留置し, オキシコドンを術中4~5.6mgボーラス投与後, 0.9~1.3mg/hrの持続注入を手術終了時から開始...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 364 |
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Main Authors | , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2003
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ISSN | 1340-4903 |
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Summary: | 【目的】乳癌手術は開腹や開胸手術に対して侵襲が小さいため術後管理が軽んじられる傾向があり, 鎮痛が不十分のことがある. 患者が女性, 比較的若年であり麻酔は全身麻酔で施行されるため術後のPONVのハイリスクグループとなる. 今回我々は胸筋温存乳房切除術後に硬膜外と静脈内にPONVなどの副作用の少ないオピオイドであるオキシコドンの持続投与を行いその効果を検討した. 【方法】ASA1~2の予定手術患者を硬膜外群(E群)と静注群(IV群)に分けE群はC7~Th5から硬膜腔内にカテーテルを留置し, オキシコドンを術中4~5.6mgボーラス投与後, 0.9~1.3mg/hrの持続注入を手術終了時から開始した. E群にドロペリドール, IV群にフルルビプロフェンの混合持続投与された症例も含んで検討した. 【結果】PONVではE群で1/17例, IV群では2/11例であった. ペインスコアーでは両群に差は見られなかった. 【考察】乳癌の術後鎮痛にはオキシコドンがE群, IV群ともに有効でありPONVが少なく, 有用な鎮痛薬といえる. 【結論】乳癌術後の急性期の疼痛をコントロールすることは患者の満足度を上げるのみならず, 術後の合併症を減少し, 慢性痛への移行を減少させ予後を改善する可能性がある. |
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ISSN: | 1340-4903 |