1-B-84 直線偏光近赤外線照射による顔面神経麻痺の治療効果~星状神経節ブロックとの比較

【対象と方法】2001年1月より2003年1月までに当科外来を受診した患者を対象とした. 近赤外線照射器(スーパーライザー:以下SL)では星状神経節近傍に出力60%, ON/OFFを2/4秒サイクルで8分間照射した. 星状神経節ブロック(以下SGB)は1%メピバカイン6m'を用いた. 40点スコアで評価し, 36点以上を完治としたが, 患者の希望があり且つ32点以上で治療を中止した症例に限り略治として併せて治癒率を求めた. 全例, 3回以上ENoG(electroneuronography)を測定し, 40%未満を重症例とした. 尚, 全例にアシクロビル, メコバラミン, アデノシン...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 356
Main Authors 萩原一昭, 岡田貴禎, 碓井 正, 富田行成, 志賀達哉, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2003
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Summary:【対象と方法】2001年1月より2003年1月までに当科外来を受診した患者を対象とした. 近赤外線照射器(スーパーライザー:以下SL)では星状神経節近傍に出力60%, ON/OFFを2/4秒サイクルで8分間照射した. 星状神経節ブロック(以下SGB)は1%メピバカイン6m'を用いた. 40点スコアで評価し, 36点以上を完治としたが, 患者の希望があり且つ32点以上で治療を中止した症例に限り略治として併せて治癒率を求めた. 全例, 3回以上ENoG(electroneuronography)を測定し, 40%未満を重症例とした. 尚, 全例にアシクロビル, メコバラミン, アデノシン三燐酸, カリジノゲナーゼ, 柴苓湯を投与した. 【結果】SL群は31例(男女比16:15, 平均52.0才), SGB群は28例(男女比15:13, 平均51.8才)であった. 治癒率及び完治までに要した治療日数(90日以下の早期完治群)の平均はSL群, SGB群でそれぞれ77.4%, 67.9%及び27.3日, 28.9日となった. 90日以上の長期治療例の完治率はSL群, SGB群で42.9%(3/7例), 0%(0/6例)であった. また重症例での完治率はSL群, SGB群で, 545%, 18. 7%であった. 【結語】末梢性顔面神経麻痺の治療法としてSLはSGBと同等かそれ以上の効果があると考えられた.
ISSN:1340-4903