1-A-43 経直腸的エコーガイド下前立腺生検術における仙骨硬膜外麻酔の検討

【目的】経直腸的エコーガイド下前立腺生検術の麻酔管理では, 経直腸エコー挿入時の不快感をなくすこと, 肛門括約筋の十分な弛緩を得ること及び手術侵襲に対する十分な鎮痛を得ることが重要である. 本手術を仙骨硬膜外麻酔で行なうに際し適切な局所麻酔薬の濃度, 量に関して検討した. 【方法】経直腸的エコーガイド下前立腺生検術を施行するASA分類I, IIの患者に仙骨硬膜外麻酔を施行した. それぞれ2%リドカイン5ml, 1%リドカイン10ml, 1%リドカイン5mlの5~30分後の麻酔域, 経直腸エコー挿入時の不快感の有無, 肛門括約筋の弛緩, 手術侵襲に対する鎮痛について比較検討した. 【結果】各々の...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 343
Main Authors 岡田貴禎, 碓井 正, 萩原一昭, 富田行成, 志賀達哉, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2003
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Summary:【目的】経直腸的エコーガイド下前立腺生検術の麻酔管理では, 経直腸エコー挿入時の不快感をなくすこと, 肛門括約筋の十分な弛緩を得ること及び手術侵襲に対する十分な鎮痛を得ることが重要である. 本手術を仙骨硬膜外麻酔で行なうに際し適切な局所麻酔薬の濃度, 量に関して検討した. 【方法】経直腸的エコーガイド下前立腺生検術を施行するASA分類I, IIの患者に仙骨硬膜外麻酔を施行した. それぞれ2%リドカイン5ml, 1%リドカイン10ml, 1%リドカイン5mlの5~30分後の麻酔域, 経直腸エコー挿入時の不快感の有無, 肛門括約筋の弛緩, 手術侵襲に対する鎮痛について比較検討した. 【結果】各々の濃度, 量とも前立腺生検を施行する上で十分な麻酔域, 鎮痛効果が得られた. しかし1%リドカイン5mlに関しては経直腸エコー挿入時の不快感, 肛門括約筋の地緩の不十分な症例が数例認められた. 【結論】経直腸的エコーガイド下前立腺生検術の麻酔管理では大量の局所麻酔薬を必要とせず2%リドカイン5mlまたは1%リドカイン10ml程度の量で本手術を患者に苦痛を与えることなく施行できると考えられた.
ISSN:1340-4903