1-A-40 硬膜外PCAによる術後鎮痛に関連した問題点・副作用の発生率~開胸手術と消化管手術の比較

2002年の1年間に硬膜外Patient-Controlled Analgesia(PCA)で術後痛の治療を行った症例のなかで, 開胸手術と消化管手術で術後鎮痛に関連した問題点, 副作用に違いがあるか否かを後ろ向きに検討した. 【対象と方法】硬膜外PCAには0.2%ロピバカイン+フェンタニルを使用し, 消化管手術の301例, 開胸手術の134例に硬膜外PCAを行った. 食道手術は除外した. 【結果】問題点, 副作用の発生は開胸手術が消化管手術より有意に多かった(33%:21%, p=0.01). 最も多かったのは硬膜外カテーテルの自然抜去, 接続部のはずれであり, 開胸手術では18例(13%)...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 342
Main Authors 松永万鶴子, 四維浩恵, 池田静佳, 岡本恵理子, 平井孝直, 原 仁美, 仁田原慶一, 比嘉和夫
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2003
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ISSN1340-4903

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Summary:2002年の1年間に硬膜外Patient-Controlled Analgesia(PCA)で術後痛の治療を行った症例のなかで, 開胸手術と消化管手術で術後鎮痛に関連した問題点, 副作用に違いがあるか否かを後ろ向きに検討した. 【対象と方法】硬膜外PCAには0.2%ロピバカイン+フェンタニルを使用し, 消化管手術の301例, 開胸手術の134例に硬膜外PCAを行った. 食道手術は除外した. 【結果】問題点, 副作用の発生は開胸手術が消化管手術より有意に多かった(33%:21%, p=0.01). 最も多かったのは硬膜外カテーテルの自然抜去, 接続部のはずれであり, 開胸手術では18例(13%), 消化管手術は21例(7%)であった(p=0.01). 悪心, 嘔吐は開胸手術では16例(12%), 消化管手術では14例(5%)であった(p=0.04). 開胸手術では手のしびれが5例(4%)に見られ, 消化管手術では下肢のしびれが4例(1%)に見られた. 術後早期に流量の変更を行った理由は, 開胸手術では悪心と傾眠であり, 開腹手術では血圧低下であった. 【結論】最も多かった合併症は硬膜外カテーテルの自然抜去, 接続部のはずれであり, 開胸手術ではカテーテルの固定に工夫が必要と考える.
ISSN:1340-4903