1-A-7 舌咽神経痛4症例の治療経験

• Published in: 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 10; no. 3; p. 331
• Main Authors: 江口千恵子, 片井留美, 内山博子, 加冶屋より子
• Format: Journal Article
• Language: Japanese
• Published: 日本ペインクリニック学会 2003
• ISSN: 1340-4903

舌咽神経痛は発生頻度が少なく三叉神経痛程治療法が確立していない. 当科でH13年からH15年2月までに4症例を経験したので報告する. 【症例1】71才女性 嚥下時の左咽頭部痛, 局麻による口腔内からの舌咽神経ブロック2回施行後疼痛消失しカルバマゼピン不要となる. MRIで左舌咽神経の椎骨動脈による軽度圧迫(+)【症例2】68才男性 左こめかみ, 耳, 咽頭の電撃痛, 舌咽神経ブロックの効果あるも再発, MRIで左後下小脳動脈による舌咽神経の圧迫(+)神経血管除圧術施行し疼痛消失【症例3】80才女性 左下顎部, 耳痛, カルバマゼピン嚥下不能, 舌咽神経ブロック, 軟口蓋への局麻塗布にて疼痛消, 血管圧迫(-), CTで左頚静脈孔の狭窄(+)【症例4】93才女性 右下顎部痛, 嚥下時痛で食事不能, 血管圧迫等の所見(-)カルバマゼピン少量で疼痛消失【考察】局麻による口腔内からの舌咽神経ブロックは, 診断及び治療として有用であった. カルバマゼピンと局麻によるブロックで対応できる例が多いのではないかと思われた. 神経破壊薬によるブロックは困難であり, 痛みが遷延し責任血管が同定できる症例では神経血管除圧術が有効であった.