ガッセル神経節高周波熱凝固および三叉神経節ブロック後のCPTの変化

2, 3枝領域の三叉神経痛患者に対し, 局所麻酔薬による下顎神経ブロックと, 高周波熱凝固法によるガッセル神経節ブロックを行い, ブロック前後にニューロメーターを用いて電流知覚閾値(CPT)を測定したので報告する. <症例> 70歳, 女性. 数年前より他科にてCarbamazepineでコントロールされていたが数ヶ月前より疼痛が増強し当科に紹介された. 下顎神経ブロック(局麻)を行ったところ痛みは消失した. ブロック後の2000 Hzおよび250 HzのCPTは上昇したが, 5 Hzでは変化は見られなかった. 痛みが再び出現した時点でCPTを測定すると, 2000 Hz, 250 Hzともに...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 185
Main Authors 人見振一郎, 岡田貴禎, 堀口勇, 富田行成, 中島伸二, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2001
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Summary:2, 3枝領域の三叉神経痛患者に対し, 局所麻酔薬による下顎神経ブロックと, 高周波熱凝固法によるガッセル神経節ブロックを行い, ブロック前後にニューロメーターを用いて電流知覚閾値(CPT)を測定したので報告する. <症例> 70歳, 女性. 数年前より他科にてCarbamazepineでコントロールされていたが数ヶ月前より疼痛が増強し当科に紹介された. 下顎神経ブロック(局麻)を行ったところ痛みは消失した. ブロック後の2000 Hzおよび250 HzのCPTは上昇したが, 5 Hzでは変化は見られなかった. 痛みが再び出現した時点でCPTを測定すると, 2000 Hz, 250 Hzともにブロック前値に戻っていた. そこで, 高周波熱凝固法によるガッセル神経節ブロックを行ったところ, 2枝領域の痛みは消失したが, 3枝領域の狭い領域に痛みが軽度に残った. ブロック5日・9日後にCPTを測定したところ, 2枝領域では, 2000 Hzおよび250 HzでCPTは上昇した. 3枝領域では全ての周波数で変化が見られなかった. <考察> 高周波熱凝固法によるガッセル神経節ブロックは, 局所麻酔薬と同等に, AβおよびAδ繊維をブロックするものと思われた.
ISSN:1340-4903