癌性疼痛に対するペンタゾシン錠からモルヒネ製剤への処方変更についての検討

癌性疼痛に対するペンタゾシン錠の適応症例が増加しているが, 無効な時にモルヒネ製剤へ変更する場合の指標等については明確でない. 我々はretrospectiveに処方変更症例の内容について検討した. 方法:平成10年1月から平成13年1月までに当科からペンタゾシン錠を処方した癌性疼痛患者を検索し, 各症例の処方の詳細を調査した. 同一内容の処方が1週間以上継続した事を以て, 至適投与量に達したと判定した. 結果:症例は全27例, うち10例はペンタゾシン錠で疼痛緩和された(以後ペンタゾシン群). 17例は他剤に変更し, うち12例はモルヒネ製剤で疼痛緩和された(以後モルヒネ変更群). ペンタゾ...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 159
Main Authors 藤澤恵理, 合田由紀子, 河東寛, 真尾秀幸, 伊東義忠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2001
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Summary:癌性疼痛に対するペンタゾシン錠の適応症例が増加しているが, 無効な時にモルヒネ製剤へ変更する場合の指標等については明確でない. 我々はretrospectiveに処方変更症例の内容について検討した. 方法:平成10年1月から平成13年1月までに当科からペンタゾシン錠を処方した癌性疼痛患者を検索し, 各症例の処方の詳細を調査した. 同一内容の処方が1週間以上継続した事を以て, 至適投与量に達したと判定した. 結果:症例は全27例, うち10例はペンタゾシン錠で疼痛緩和された(以後ペンタゾシン群). 17例は他剤に変更し, うち12例はモルヒネ製剤で疼痛緩和された(以後モルヒネ変更群). ペンタゾシン群の平均1日投与量は97.5±60.6 mgであった. モルヒネ変更群はペンタゾシン錠127.1±55.9 mg/日処方の時点でモルヒネ製剤に変更し, 初回投与34.0±13.8 mg/日(経口量換算)から87.0±71.9 mg/日まで増量して疼痛緩和された. これに要した期間は平均11.7±10.5日であった. 結語:当科におけるペンタゾシン錠からモルヒネ製剤への処方変更に一定の傾向を見い出した. 指標について更に検討する必要がある.
ISSN:1340-4903