CRPS type1 (RSD)の骨萎縮, 骨代謝に対する塩酸サルポブレラートの効果

RSDの骨萎縮は急性期より起こり罹病期間が長いほど骨量の減少が著しく, 5HT2受容体拮抗薬塩酸サルポグレラートはRSDの疼痛と骨萎縮に対し効果がある事はすでに報告した. 今回, 塩酸サルポグレラートで治療したRSD患者6例について骨代謝マーカーとDEXAによる骨密度を経時的に調べ, 骨代謝への影響を調べた. このうち4例は初期の段階のみ星状神経節ブロック・硬膜外ブロックを併用した. RSDの症状の改善度は完治2例, 改善3例, 不変1例であった. 完治例は早期に治療を開始した2例であった. この6例は全例初診時ないしは経過中に患側の骨萎縮を認めた. 治療による骨萎縮の改善度は著明改善2例,...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 3; p. 143
Main Authors 富田行成, 岡田貴禎, 堀口勇, 人見振一郎, 中島伸二, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2001
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Summary:RSDの骨萎縮は急性期より起こり罹病期間が長いほど骨量の減少が著しく, 5HT2受容体拮抗薬塩酸サルポグレラートはRSDの疼痛と骨萎縮に対し効果がある事はすでに報告した. 今回, 塩酸サルポグレラートで治療したRSD患者6例について骨代謝マーカーとDEXAによる骨密度を経時的に調べ, 骨代謝への影響を調べた. このうち4例は初期の段階のみ星状神経節ブロック・硬膜外ブロックを併用した. RSDの症状の改善度は完治2例, 改善3例, 不変1例であった. 完治例は早期に治療を開始した2例であった. この6例は全例初診時ないしは経過中に患側の骨萎縮を認めた. 治療による骨萎縮の改善度は著明改善2例, 改善2例であった. 2例は長期観察ができなかった. 骨代謝マーカーはP1CPとTRAPが治療開始6ヶ月間で有意に低下, 骨型ALPとBGP (bone gla protein)は有意な変化を示さなかった. P1CPとTRAPが有意に低下する事から, 塩酸サルポグラレートはRSDにおける高回転型の骨萎縮を抑制していることが示唆された.
ISSN:1340-4903