フレカイニドは神経因性疼痛を抑制するか

神経因性疼痛に対する薬物療法として抗不整脈薬の有用性は知られている. われわれはこれまでVaughan Williams分類のIc群に属するフレカイニドを用い, 帯状疱疹後神経痛, CRPSに対して鎮痛効果があることを報告してきた. 今回動物モデルを用いてその鎮痛効果を検討したので, 報告する. 方法:Bennettの方法によりラットCCIモデルを作成した. 作成後14日目にフレカイニドを2, 6, 12mg/kg静脈内投与し, 熱・機械刺激に対する逃避潜時・閾値を測定した. 測定ポイントは投与前, 投与後0.5, 1, 2, 4, 24時間の6点とした. 結果:熱刺激に対する逃避潜時は6mg...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 8; no. 2; p. 58
Main Authors 一万田正彦, 池辺晴美, 北野敬明, 野口隆之
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2001
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ISSN1340-4903

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Summary:神経因性疼痛に対する薬物療法として抗不整脈薬の有用性は知られている. われわれはこれまでVaughan Williams分類のIc群に属するフレカイニドを用い, 帯状疱疹後神経痛, CRPSに対して鎮痛効果があることを報告してきた. 今回動物モデルを用いてその鎮痛効果を検討したので, 報告する. 方法:Bennettの方法によりラットCCIモデルを作成した. 作成後14日目にフレカイニドを2, 6, 12mg/kg静脈内投与し, 熱・機械刺激に対する逃避潜時・閾値を測定した. 測定ポイントは投与前, 投与後0.5, 1, 2, 4, 24時間の6点とした. 結果:熱刺激に対する逃避潜時は6mg/kgで投与後0.5時間, 12mg/kgで投与後0.5, 1, 2時間で有意に延長した. 機械刺激に対する逃避閾値は6, 12mg/kgともに投与後0.5, 1時間で有意に上昇した. まとめ:フレカイニドはCCIモデルに対し容量依存性に鎮痛効果を認め, 臨床での神経因性疼痛に対する有用性を実証するものとなった.
ISSN:1340-4903