掌蹠膿疱症の脊椎病変に対し交感神経節ブロックが有効であった1症例

掌蹠膿疱症に伴って広範な脊椎炎症性病変を生じた症例に対し, 腰部交感神経節ブロックを行ない有効な鎮痛効果を得た. 52歳, 女性. 腰下肢痛, 背部痛を主訴に当院を受診し, 掌蹠膿疱症と診断された. ステロイド, NSAIDsを内服するが, 痛みは持続し入院となった. 脊椎シンチで胸椎, 腰椎, 仙腸関節に異常集積がみられ, 脊椎炎症性変化が確認された. 3ヵ月後当科紹介となり, 試験的仙骨硬膜外ブロックの効果から, 腰下肢痛は交感神経関与の痛みと判断し, アルコールによる腰部交感神経節ブロックを施行した. 施行後, 臀部から両下肢にかけての痛みは消失したが, 背部痛が残存し, メキシレチン,...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 4; p. 40
Main Authors 野萱純子, 小松久男, 田家諭, 別宮小由理, 穴吹大介, 横野諭, 小栗顕二
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2000
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ISSN1340-4903

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Summary:掌蹠膿疱症に伴って広範な脊椎炎症性病変を生じた症例に対し, 腰部交感神経節ブロックを行ない有効な鎮痛効果を得た. 52歳, 女性. 腰下肢痛, 背部痛を主訴に当院を受診し, 掌蹠膿疱症と診断された. ステロイド, NSAIDsを内服するが, 痛みは持続し入院となった. 脊椎シンチで胸椎, 腰椎, 仙腸関節に異常集積がみられ, 脊椎炎症性変化が確認された. 3ヵ月後当科紹介となり, 試験的仙骨硬膜外ブロックの効果から, 腰下肢痛は交感神経関与の痛みと判断し, アルコールによる腰部交感神経節ブロックを施行した. 施行後, 臀部から両下肢にかけての痛みは消失したが, 背部痛が残存し, メキシレチン, バクロフェンの内服を開始したところ, 痛みが軽減し退院可能となった. 掌蹠膿疱症の関節病変に対しては従来から, SGB, 硬膜外ブロック, 関節内ブロックなどが行なわれている. 脊椎病変に伴う腰下肢痛に対しては交感神経節ブロックが有効な治療法の一つと考えられる.
ISSN:1340-4903