帯状疱疹後神経痛に対する0.05%カプサイシン軟膏の長期予後の検討

帯状疱疹後神経痛に対するカプサイシン軟膏の有効性は米国において認められている. 日本ではまだ未発売であるが, 院内製剤0.05%のカプサイシン軟膏の帯状疱疹後神経痛に対する有効性を我々は先に報告した. 今回はカプサイシン軟膏の長期有効性を調べるために, 軟膏を処方した38症例にアンケートを実施し, 検討した. <結果>回答は20症例であり, 回答率は53%であった. このうち既に軟膏の処方を中止・終了したのは16例であり, 今回はこの回答結果を解析した. 軟膏使用期間の平均は6.3ヶ月であり, 中止後の回答時までの平均期間は12ヶ月であった. 軟膏中止の理由は69%の症例が疼痛が軽...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 3; p. 179
Main Authors 岡田貴禎, 堀口勇, 堤哲也, 牛込嘉美, 中島伸二, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2000
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Summary:帯状疱疹後神経痛に対するカプサイシン軟膏の有効性は米国において認められている. 日本ではまだ未発売であるが, 院内製剤0.05%のカプサイシン軟膏の帯状疱疹後神経痛に対する有効性を我々は先に報告した. 今回はカプサイシン軟膏の長期有効性を調べるために, 軟膏を処方した38症例にアンケートを実施し, 検討した. <結果>回答は20症例であり, 回答率は53%であった. このうち既に軟膏の処方を中止・終了したのは16例であり, 今回はこの回答結果を解析した. 軟膏使用期間の平均は6.3ヶ月であり, 中止後の回答時までの平均期間は12ヶ月であった. 軟膏中止の理由は69%の症例が疼痛が軽度ないしは消失したからと答えた. 軟膏中止後疼痛が増強した例は1例もなかった. 3例は中止後も疼痛の改善があったと答えた. <考察>0.05%カプサイシン軟膏は, 中止した平均1年後でも疼痛が増悪する例はなく, 軟膏使用時に疼痛が改善したPHNに対してはその中止後も長期的にも有効であることが認められた.
ISSN:1340-4903