骨粗鬆症における骨塩量, 骨代謝マーカーの検討

骨粗鬆症は, 閉経後骨粗鬆症と退行期骨粗鬆症に分類され, 前者は高回転型, 後者は低回転型であると考えられてきた. これに対し我々は, 骨代謝マーカーを測定し, 退行期骨粗鬆症患者が, 必ずしも低回転型であるとは言い切れず, 高回転型もかなりの数が含まれることを報告した. 今回, 骨代謝マーカーとして, 骨芽細胞由来のintact-Osteocalcin, 骨型ALP, P1CPに加えて, 破骨細胞由来の酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)を測定し, 各種骨代謝マーカーの間にいかなる相関があるか検討した. intact-Osteocalcin, 骨型ALP, P1CPは, すべての組み合...

Full description

Saved in:
Bibliographic Details
Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 3; p. 157
Main Authors 堀口勇, 岡田貴禎, 堤哲也, 牛込嘉美, 中島伸二, 大竹哲也
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2000
Online AccessGet full text

Cover

Loading…
More Information
Summary:骨粗鬆症は, 閉経後骨粗鬆症と退行期骨粗鬆症に分類され, 前者は高回転型, 後者は低回転型であると考えられてきた. これに対し我々は, 骨代謝マーカーを測定し, 退行期骨粗鬆症患者が, 必ずしも低回転型であるとは言い切れず, 高回転型もかなりの数が含まれることを報告した. 今回, 骨代謝マーカーとして, 骨芽細胞由来のintact-Osteocalcin, 骨型ALP, P1CPに加えて, 破骨細胞由来の酒石酸抵抗性酸フォスファターゼ(TRAP)を測定し, 各種骨代謝マーカーの間にいかなる相関があるか検討した. intact-Osteocalcin, 骨型ALP, P1CPは, すべての組み合わせで有意な相関があった. TRAPは, 骨型ALP, P1CPとそれぞれ有意な相関がみられた. 骨塩量は, いかなるマーカーとも右意な相関はみられなかった. これらのことから, 骨芽細胞由来の一部のマーカーと, 破骨細胞由来のマーカーに相関があることが示され, それらは骨形成と骨破壊のカップリングによるものと考えられた. また, 骨形成マーカーとしてP1CPが, 骨吸収マーカーとしてTRAPが, 最も重要かつ測定意義のある骨代謝マーカーと考えられた.
ISSN:1340-4903