ー総合病院における各科の癌性疼痛療法の評価~モルヒネ製剤処方の面から

目的:総合病院における癌性疼痛治療は, 各科主治医が管理を行い, 困難な場合麻酔科依頼となる場合が多い. 近年モルヒネによる疼痛治療法は普及してきてはいるが, 各科管理下での治療法を評価する目的でモルヒネ製剤の処方の現状について検討を行うこととした. 方法:当院における1999年11月, 12月, 2000年1月の3ヶ月間に各科で経口及び経直腸モルヒネ製剤を処方された患者を処方箋より検索し, 各々の疾患名や処方内訳を調査した. 又, 麻酔科管理症例については鎮痛補助薬の併用の有無も調査した. 結果:経口及び経直腸モルヒネ製剤を処方された症例数は65例で, うち麻酔科管理症例は20例であった....

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 3; p. 94
Main Authors 藤澤恵理, 河東寛, 合田由紀子, 真尾秀幸, 伊東義忠
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 2000
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Summary:目的:総合病院における癌性疼痛治療は, 各科主治医が管理を行い, 困難な場合麻酔科依頼となる場合が多い. 近年モルヒネによる疼痛治療法は普及してきてはいるが, 各科管理下での治療法を評価する目的でモルヒネ製剤の処方の現状について検討を行うこととした. 方法:当院における1999年11月, 12月, 2000年1月の3ヶ月間に各科で経口及び経直腸モルヒネ製剤を処方された患者を処方箋より検索し, 各々の疾患名や処方内訳を調査した. 又, 麻酔科管理症例については鎮痛補助薬の併用の有無も調査した. 結果:経口及び経直腸モルヒネ製剤を処方された症例数は65例で, うち麻酔科管理症例は20例であった. 1日最大処方量の平均は全体で90mgで, 麻酔科は158mgと最も多かった. モルヒネによるレスキュー処方(疼痛時臨時追加処方)をされている症例は少なく, 全体で14例, うち麻酔科が5例であった. 麻酔科管理の12例で鎮痛補助薬が処方されていた. 結語:当院における経口及び経直腸モルヒネ製剤処方症例に対する調査検討を行った. 普及しつつあるとされるモルヒネ製剤だが, 麻酔科を含め各科において, その至適投与量やレスキュー処方, 鎮痛補助薬の使用については更に検討していく必要性がある.
ISSN:1340-4903