胸腔鏡下交感神経遮断術における合併症について
1994年1月~1999年7月までに当科および関連施設で施行した胸腔鏡下交感神経遮断術症例における合併症を検討した. 全166症例で, 片側手術131症例, 両側手術35症例であった. 平均年齢は29.7歳で, 対象疾患は, 多汗症162症例, レイノー病2症例, 上腕動脈閉塞1症例, 胸郭出口症候群(右第二指壊死)1症例であった. 麻酔法は, 吸入麻酔または静脈麻酔で, 分離肺換気または術側肺をCO_2 にて虚脱した. 術中, 肺癒着による小開胸への移行を1症例認めた. 治療効果は, 100%であった. 合併症の内訳は, 代償性発汗が片側手術で21.4%, 両側手術で65.7%と両側で有意に...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 7; no. 1; pp. 89 - 90 |
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Main Authors | , , , , , , , , |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
2000
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Online Access | Get full text |
ISSN | 1340-4903 |
Cover
Summary: | 1994年1月~1999年7月までに当科および関連施設で施行した胸腔鏡下交感神経遮断術症例における合併症を検討した. 全166症例で, 片側手術131症例, 両側手術35症例であった. 平均年齢は29.7歳で, 対象疾患は, 多汗症162症例, レイノー病2症例, 上腕動脈閉塞1症例, 胸郭出口症候群(右第二指壊死)1症例であった. 麻酔法は, 吸入麻酔または静脈麻酔で, 分離肺換気または術側肺をCO_2 にて虚脱した. 術中, 肺癒着による小開胸への移行を1症例認めた. 治療効果は, 100%であった. 合併症の内訳は, 代償性発汗が片側手術で21.4%, 両側手術で65.7%と両側で有意に高かった. 気胸が片側手術6症例, 両側手術2症例で, うち2例に胸腔ドレーンを挿入した. 片側手術2症例にホルネル症候群を認めた. 神経痛は11症例に認めた. 出血, 徐脈は認めなかった. 代償性発汗の発生率を考慮すると, 片側手術は合併症軽減に有効であった. |
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ISSN: | 1340-4903 |