10%リドカイン軟膏の帯状疱疹後神経痛に対する短期及び長期の効果

リドカインテープならびに軟膏が帯状疱疹痛ならびに帯状疱疹後神経痛に対し有効と報告されている. 特に急性および亜急性の帯状疱疹痛では一定期間の繰り返しの使用で, その後の疼痛も消失するとの報告がある. 今回, 帯状疱疹後神経痛患者に対し, 10%リドカイン軟膏を作成し, 短期および長期使用の効果を調べた. 【方法】15名の帯状疱疹後神経痛の患者に対し, 10%リドカイン5gを初回1時間塗布し, その効果を見た. そのうち5名では2時間後まで経時的にリドカイン血中濃度を測定した. 次に1時間塗布で効果のあった症例では, 長期にわたり1日数回, 数時間ずつ塗布を施行し, 塗布中ならびにその後の痛みを...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 6; no. 3; p. 170
Main Authors 溝淵知司, 横山正尚, 藤井洋泉, 中塚秀輝, 平川方久
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1999
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ISSN1340-4903

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Summary:リドカインテープならびに軟膏が帯状疱疹痛ならびに帯状疱疹後神経痛に対し有効と報告されている. 特に急性および亜急性の帯状疱疹痛では一定期間の繰り返しの使用で, その後の疼痛も消失するとの報告がある. 今回, 帯状疱疹後神経痛患者に対し, 10%リドカイン軟膏を作成し, 短期および長期使用の効果を調べた. 【方法】15名の帯状疱疹後神経痛の患者に対し, 10%リドカイン5gを初回1時間塗布し, その効果を見た. そのうち5名では2時間後まで経時的にリドカイン血中濃度を測定した. 次に1時間塗布で効果のあった症例では, 長期にわたり1日数回, 数時間ずつ塗布を施行し, 塗布中ならびにその後の痛みを評価した. 【結果】血中リドカイン濃度は0.3μg/ml以下であった. 4名では塗布中あるいはふき取った後で疼痛が不変または増強し, 長期使用は中止した. 長期使用の全例で塗布中はある程度の除痛が得りれたが, ふき取ったあとは短時間で効果が消失した. 【結論】10%リドカイン軟骨は, 帯状疱疹後神経痛に対し, 塗布中は効果を示す症例が多い. しかし, 繰り返しの使用でも慢性痛そのものを緩和する作用は乏しい.
ISSN:1340-4903