突発性難聴に対するC_2・3 深部頚神経ブロックの効果

現在, 突発性難聴の治療はステロイド剤, 循環改善薬などの投与, 高気圧酸素療法, 星状神経節ブロックなどが主流である. ペインクリニックに紹介されてくるものには重症例が多くなかなか治療に反応しないものも多い. 後頭部痛を訴えた突発性難聴の患者にC_2・3 深部頚神経ブロックを施行したところ, 耳閉塞感の消失が認められた. その後20名ほどの突発性難聴患者に同ブロックを施行したところ80%の患者で耳閉塞感の消失, もしくは明かな軽減が認められた. 椎骨動脈周囲交感神経節後線維が耳前庭部に到達していることやC_2・3 での同ブロックが椎骨動脈に近い部分に局所麻酔を浸潤させるため椎骨脳底動脈血流に...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 6; no. 3; p. 160
Main Authors 鈴木結実人, 森 聡司, 飯塚浩基, 高木久見子, 世良田和幸, 外丸輝明
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1999
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Summary:現在, 突発性難聴の治療はステロイド剤, 循環改善薬などの投与, 高気圧酸素療法, 星状神経節ブロックなどが主流である. ペインクリニックに紹介されてくるものには重症例が多くなかなか治療に反応しないものも多い. 後頭部痛を訴えた突発性難聴の患者にC_2・3 深部頚神経ブロックを施行したところ, 耳閉塞感の消失が認められた. その後20名ほどの突発性難聴患者に同ブロックを施行したところ80%の患者で耳閉塞感の消失, もしくは明かな軽減が認められた. 椎骨動脈周囲交感神経節後線維が耳前庭部に到達していることやC_2・3 での同ブロックが椎骨動脈に近い部分に局所麻酔を浸潤させるため椎骨脳底動脈血流に影響を与えているのではないかと推測している.
ISSN:1340-4903