癌性胸部痛に対するレントゲン透視を利用したくも膜下フェノールブロック

悪性腫瘍の胸壁への浸潤は強い痛みを起こし, しばしば神経ブロックが必要となる. 我々は, この様な症例に, レントゲン透視下にくも膜下フェノールブロックを施行し, 良好な成績を得ているので施行法を紹介する. 体位は痛みのある側が下の側臥位とする. レントゲン透視下に, 非除痛側より傍正中アプローチで, くも膜下穿刺時に針先が正中より除痛側(下側)に位置するように, 針を刺入する. 次いでイオトロラン(イソビスト(R)240)を0.2ml注入し, 除痛目的の脊髄神経のroot sleeveが造影され, それを中心に頭側, 尾側に均等に拡がるように, 針先の位置および手術台の傾斜を調節する. 造影...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 6; no. 3; p. 147
Main Authors 長櫓 巧, 大塚 龍, 惣谷昌夫, 安部俊吾, 湖城 均, 木村重雄, 新井達潤
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1999
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Summary:悪性腫瘍の胸壁への浸潤は強い痛みを起こし, しばしば神経ブロックが必要となる. 我々は, この様な症例に, レントゲン透視下にくも膜下フェノールブロックを施行し, 良好な成績を得ているので施行法を紹介する. 体位は痛みのある側が下の側臥位とする. レントゲン透視下に, 非除痛側より傍正中アプローチで, くも膜下穿刺時に針先が正中より除痛側(下側)に位置するように, 針を刺入する. 次いでイオトロラン(イソビスト(R)240)を0.2ml注入し, 除痛目的の脊髄神経のroot sleeveが造影され, それを中心に頭側, 尾側に均等に拡がるように, 針先の位置および手術台の傾斜を調節する. 造影剤注入20分後に10%フェノールグリセリン0.2-0.4mlを注入し, 同体位を30分とり終了する.
ISSN:1340-4903