低侵襲的冠動脈再建術(MIDCAB)の術後鎮痛について

小開胸によるMIDCAB手術の術後鎮痛法について検討した. 【方法】手術終了し回復室入室後よりプロポフォールにて鎮静を行い呼吸循環が安定した後, プロポフォールの投与を中止し覚醒させた. 覚醒し応答が可能になった時点で, 疼痛について質問しながら安静時痛がなくなるまで, 塩酸モルヒネを0.5mgずつ静注した後0.5mg/hで持続静注を開始した. 深呼吸時の疼痛がないようにモルヒネの増量と適宜消炎鎮痛剤も併用しペインコントロール下に抜管した. 翌日退室までのペインスコア, 動脈血炭酸ガス分圧について検討した. 【結果】症例58~83歳(平均71±10), 男7/女3であった. 術中フェンタネスト...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 5; no. 3; p. 386
Main Authors 赤松哲也, 後藤田弓子, 神原紀子, 狭間礼子, 岸 義彦
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1998
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Summary:小開胸によるMIDCAB手術の術後鎮痛法について検討した. 【方法】手術終了し回復室入室後よりプロポフォールにて鎮静を行い呼吸循環が安定した後, プロポフォールの投与を中止し覚醒させた. 覚醒し応答が可能になった時点で, 疼痛について質問しながら安静時痛がなくなるまで, 塩酸モルヒネを0.5mgずつ静注した後0.5mg/hで持続静注を開始した. 深呼吸時の疼痛がないようにモルヒネの増量と適宜消炎鎮痛剤も併用しペインコントロール下に抜管した. 翌日退室までのペインスコア, 動脈血炭酸ガス分圧について検討した. 【結果】症例58~83歳(平均71±10), 男7/女3であった. 術中フェンタネスト投与量は0.7±0.2mg, 13±4μg/kgであった. 初期モルヒネ投与量は1.2±0.9mg, 持続投与量0.55±0.1mg/時であった. 消炎鎮痛剤は6例に使用した. 全例にて深呼吸時も痛みなくコントロールできた. 呼吸抑制を起こした例はなく翌朝の動脈血炭酸ガス分圧は39±4mmHgであった. 【結語】MIDCABの術後鎮痛に対しモルヒネの持続静注は簡便で非常に有用であった.
ISSN:1340-4903