近赤外分光法による星状神経節ブロックの効果判定

今回我々は成人5名を対象に, 星状神経節ブロックを施行し, 上肢のサーモグラフィーと近赤外分光法を用いたNIROモニターにより効果判定を行った. サーモグラフィーは手掌部の測定を行い, 第II指基部の数値を記載した. 近赤外分光法モニターのオプトードは前腕に装着した. 星状神経節ブロックは同一の術者が第7頸椎横突起基部に1%mepivacaine 7mlを注入し, 全例に眼瞼下垂, 縮瞳が発現した. 数値の測定はブロック前, 直後, 5分後, 10分後, 15分後, 20分後, 25分後, 30分後に行い, 上肢の組織血流と手掌温度とも上昇し両者はよい相関を示した. NIROモニターは非侵襲的...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 5; no. 3; p. 375
Main Authors 岡野隆利, 木村嘉之, 見塩六生, 奥田泰久, 北島敏光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1998
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Summary:今回我々は成人5名を対象に, 星状神経節ブロックを施行し, 上肢のサーモグラフィーと近赤外分光法を用いたNIROモニターにより効果判定を行った. サーモグラフィーは手掌部の測定を行い, 第II指基部の数値を記載した. 近赤外分光法モニターのオプトードは前腕に装着した. 星状神経節ブロックは同一の術者が第7頸椎横突起基部に1%mepivacaine 7mlを注入し, 全例に眼瞼下垂, 縮瞳が発現した. 数値の測定はブロック前, 直後, 5分後, 10分後, 15分後, 20分後, 25分後, 30分後に行い, 上肢の組織血流と手掌温度とも上昇し両者はよい相関を示した. NIROモニターは非侵襲的であり, 組織血液量の変化を観察することができる. 交感神経節ブロックなどの効果判定を行うに当たり, 有用性が高い測定方法であると考えられた.
ISSN:1340-4903