帯状疱疹の再発が膠原病診断の契機となった1症例

健常人において帯状疱疹の再発は稀である. 今回, 帯状疱疹の再発を契機として膠原病の精査を行い, 混合性結合組織病と診断された症例を経験した. <症例> 48歳の女性. 左Thl~Th3領域の帯状疱疹に罹患し, 皮膚科にて入院治療中であったがジクロフェナクおよびロキソプロフェンにて顔面紅斑, ブプレノルフィンにてめまいをきたしたため, 疼痛管理のため当科に紹介された. 既往歴として12年前に帯状疱疹に罹患しており, 今回は再発であったため, 疼痛コントロールと並行して悪性腫瘍, 膠原病などの疾患に対する検査を行った. 疼痛に対してはTh3-4間から挿入した持続硬膜外カテーテルより0...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 5; no. 3; p. 340
Main Authors 鈴木章子, 小西るり子, 早乙女敬子, 福田博一, 赤澤 訓, 清水禮壽
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1998
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ISSN1340-4903

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Summary:健常人において帯状疱疹の再発は稀である. 今回, 帯状疱疹の再発を契機として膠原病の精査を行い, 混合性結合組織病と診断された症例を経験した. <症例> 48歳の女性. 左Thl~Th3領域の帯状疱疹に罹患し, 皮膚科にて入院治療中であったがジクロフェナクおよびロキソプロフェンにて顔面紅斑, ブプレノルフィンにてめまいをきたしたため, 疼痛管理のため当科に紹介された. 既往歴として12年前に帯状疱疹に罹患しており, 今回は再発であったため, 疼痛コントロールと並行して悪性腫瘍, 膠原病などの疾患に対する検査を行った. 疼痛に対してはTh3-4間から挿入した持続硬膜外カテーテルより0.25%ブピバカインを2mlhr^-1 で投与し, 副作用をきたすことなくコントロールし得た. 精査の結果, 本患者は混合性結合組織病と診断され, 治療が開始された. <結語> 帯状疱疹はペインクリニックで最もよくみられる疾患の一つであるが, 再発をきたした症例ではとくに悪性腫瘍や自己免疫疾患などの合併症に留意する必要がある.
ISSN:1340-4903