腹腔神経叢ブロック後に下腸間膜動脈神経叢ブロックの追加を要した4症例の検討

腹腔神経叢ブロック(以下CPB)後に残存した下腹部痛に対して下腸間膜動脈神経叢ブロック(以下IMPB)の追加によって良好な除痛が得られた4症例を報告し, IMPBの適応について検討した. 症例1:55歳, 男性, 大腸癌. CTでは大動脈左縁に腫瘍浸潤がみられた. 症例2:55歳, 女性, 胆管癌. CTでは傍大動脈リンパ節転移がみられた. 症例3:57歳, 男性, 膵癌. CTでは腹腔動脈および上腸間膜動脈の起始部を巻き込む大きな腫瘤がみられた. 症例4:36歳, 男性, 胃癌のため上腹部および右側腹部に疼痛を訴えていた. CTでは直腸周囲に索状陰影がみられ, 転移と考えられた. 考察:下腸...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 4; no. 4; p. 498
Main Authors 安藤 泰, 阿部 桂, 大塚 龍, 徳岡浩信, 中西和雄, 桜木康晴, 首藤 誠, 萬家俊博, 渡辺敏光
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1997
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Summary:腹腔神経叢ブロック(以下CPB)後に残存した下腹部痛に対して下腸間膜動脈神経叢ブロック(以下IMPB)の追加によって良好な除痛が得られた4症例を報告し, IMPBの適応について検討した. 症例1:55歳, 男性, 大腸癌. CTでは大動脈左縁に腫瘍浸潤がみられた. 症例2:55歳, 女性, 胆管癌. CTでは傍大動脈リンパ節転移がみられた. 症例3:57歳, 男性, 膵癌. CTでは腹腔動脈および上腸間膜動脈の起始部を巻き込む大きな腫瘤がみられた. 症例4:36歳, 男性, 胃癌のため上腹部および右側腹部に疼痛を訴えていた. CTでは直腸周囲に索状陰影がみられ, 転移と考えられた. 考察:下腸間膜動脈神経叢ブロックの適応として腹部大動脈周囲の腫瘍浸潤やリンパ節転移, 下腸間膜動脈神経叢や上下腹神経叢から神経支配をうける領域の腫瘍, 下腹部痛が考えられた.
ISSN:1340-4903