疼痛診療における通信回線の利用

外傷, 術後痛その他の症候性神経痛・CRPSのなかには, 長期にわたり疼痛管理を要する例もあり, このような遷延性疼痛例で継時的に強い痛みの揺らぎをみる例では, 疼痛の評価と治療・管理だけでなく円滑な治療関係の維持, 疼痛行動・依存などの緩和, 家庭・社会生活のなかでの心理・精神的ケアのため時間をかけての面接や, プライバシー保持への配慮も必要である. 現状では診療施設・診療時間の制約もあり, このような点を補うため電話, ファクシミリ, インターネットなどの通信回線を利用しての対応を試みた. アンケート調査では, 電話, ファクシミリによる相談で90%以上の症例で疼痛行動・依存などの緩和改善...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 4; no. 4; p. 493
Main Authors 大橋 勉, 本城 繁, 田代 護, 小沢るり子, 比嘉正祐, 神山守人, 三川 宏
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1997
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ISSN1340-4903

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Summary:外傷, 術後痛その他の症候性神経痛・CRPSのなかには, 長期にわたり疼痛管理を要する例もあり, このような遷延性疼痛例で継時的に強い痛みの揺らぎをみる例では, 疼痛の評価と治療・管理だけでなく円滑な治療関係の維持, 疼痛行動・依存などの緩和, 家庭・社会生活のなかでの心理・精神的ケアのため時間をかけての面接や, プライバシー保持への配慮も必要である. 現状では診療施設・診療時間の制約もあり, このような点を補うため電話, ファクシミリ, インターネットなどの通信回線を利用しての対応を試みた. アンケート調査では, 電話, ファクシミリによる相談で90%以上の症例で疼痛行動・依存などの緩和改善効果をみた. 利点として, プライバシーが保てる, 随時連絡ができ安心感がある, 痛みや悩みの相談ができるなどが指摘された. インターネットの電子メールによる相談窓口の開設も新しい方法として注目されるが, まだ十分普及しているとはいえない.
ISSN:1340-4903