ワークショップ, 胸腔鏡下胸部交感神経ブロック療法
胸腔鏡を用いての交感神経切除術は1954年のKuxの報告に始まる. その後ヨーロッパやイスラエルで症例数は少ないが, 主として多汗症の治療法として, 行われてきた. 日常生活に常に握手を必要とされる欧米では手掌多汗症の患者の苦痛はわれわれ東洋人の想像できないものなのであろう. 1987年にスエーデンのBoras病院のClaesらが泌尿器科用のレゼクトスコープとヴィデオカメラを用いて単一孔からの胸腔鏡下交感神経遮断術を初めてた. 麻酔法も分別換気を必要とせず, 安全に, 短時間に, 確実に, 短い入院期間で行えるために多くの患者が集まり現在までに彼らは2,000例を越える症例を手術してきた. 日...
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Published in | 日本ペインクリニック学会誌 Vol. 4; no. 3; p. 94 |
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Main Author | |
Format | Journal Article |
Language | Japanese |
Published |
日本ペインクリニック学会
1997
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Summary: | 胸腔鏡を用いての交感神経切除術は1954年のKuxの報告に始まる. その後ヨーロッパやイスラエルで症例数は少ないが, 主として多汗症の治療法として, 行われてきた. 日常生活に常に握手を必要とされる欧米では手掌多汗症の患者の苦痛はわれわれ東洋人の想像できないものなのであろう. 1987年にスエーデンのBoras病院のClaesらが泌尿器科用のレゼクトスコープとヴィデオカメラを用いて単一孔からの胸腔鏡下交感神経遮断術を初めてた. 麻酔法も分別換気を必要とせず, 安全に, 短時間に, 確実に, 短い入院期間で行えるために多くの患者が集まり現在までに彼らは2,000例を越える症例を手術してきた. 日本では国立金沢病院心臓外科が, いち早くこの方法を導入し多汗症, 末梢血行障害の治療を行いその有効性と安全性を確認した. 関東逓信病院ペインクリニック科では1994年1月より国立金沢病院心臓外科手取屋医師の指導の下1年間, 本手術法を研修し, 1995年1月よりは当院呼吸器外科と連絡を密にしてペインクリニック科単独で手術を行っている. 今回のワークショップでは各施設でどの様な手術手技が行われているのか, 外科側との協力体制はどの様にしているのかなどにつき演者から講演頂き, 今後の本手術法の安全な普及の方法を探りたい. |
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ISSN: | 1340-4903 |