星状神経節ブロック施行記録を用いたブロックの効果および合併症の調査

星状神経節ブロック(以下SGB)で, 指標とする頸椎, および横突起に当てるか否かが効果や合併症に与える影響について, 平成7年9月より使用しているSGB施行記録用紙のデータより, 検討を行なった. 第6, 第7頸椎を指標とした方法に効果の差はなく, 嗄声の発生率も, 両法で差がなかった. よって手技的に容易で, 気胸など重篤な合併症を起こす可能性の少ないといわれている第6頸椎を指標とした方法を第1選択とすることが望ましいと考えられた. また, 横突起に針先を当てても当てなくても, 効果の確実性や嗄声の発生に差がないという結果が得られた. よって横突起に針先が当たる時などの患者の不快感, 深く...

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Published in日本ペインクリニック学会誌 Vol. 4; no. 1; p. 56
Main Authors 市場美帆, 井口明子, 大谷輝寿, 南ゆかり, 堀 真也, 上平 敦, 藤井 昭
Format Journal Article
LanguageJapanese
Published 日本ペインクリニック学会 1997
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ISSN1340-4903

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Summary:星状神経節ブロック(以下SGB)で, 指標とする頸椎, および横突起に当てるか否かが効果や合併症に与える影響について, 平成7年9月より使用しているSGB施行記録用紙のデータより, 検討を行なった. 第6, 第7頸椎を指標とした方法に効果の差はなく, 嗄声の発生率も, 両法で差がなかった. よって手技的に容易で, 気胸など重篤な合併症を起こす可能性の少ないといわれている第6頸椎を指標とした方法を第1選択とすることが望ましいと考えられた. また, 横突起に針先を当てても当てなくても, 効果の確実性や嗄声の発生に差がないという結果が得られた. よって横突起に針先が当たる時などの患者の不快感, 深く刺した際の椎骨動脈穿刺の可能性などを考慮すると, 熟練者の場合, 必ずしも横突起に針先を当てなくともよいのではないかと考えられた. 今後, 調査数を増やし, より安全で確実なSGBの方法の確立に寄与していきたい.
ISSN:1340-4903